2014 Fiscal Year Research-status Report
脳深部刺激術における局所フィールド電位測定に基づく刺激プログラミング法の開発
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26462219
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
梅村 淳 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00244567)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 脳深部刺激療法 / 視床下核 / 局所フィールド電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は術中にDBS電極より記録した局所フィールド電位(LFP)を解析して術後の至適刺激パラメーター設定に役立てることである。本研究は患者さんの術中データを使用するため、まずは順天堂大学の病院倫理委員会の承認を受ける手続きを行った。また、実施に当たって手術時のLFP記録データを収集して解析するためのシステムを選定し購入した。倫理委員会の承認を受けるのにやや時間を要したため、実際にLFPデータ記録を行なえたのはまだ4症例で当初の予定よりは遅れている。術中記録は患者さんの負担のないように一側につき約1分程度にとどめており、現時点では運動負荷試験は行っていない。収集したLFPデータを解析ソフト(LabChart)を用いて適宜オフラインで周波数解析を行っている。その結果、いずれの記録でも当初予想されたとおり、20-30Hzにピークを持つβ band activityの増加が観察された。しかし記録ノイズなどの問題もあり、データ収集における至適フィルター設定や解析方法についてはまだ改善の余地があると思われ、関係技術者からの助言を得ながら検討中である。したがって術後の至適パラメーターとの関係を比較検討する段階には至っていない。今後さらに症例数を増やして検討を行う予定である。 また、当院で行っているDBS手術の妥当性を示すためにこれまでの症例のDBS後長期治療成績についてまとめて論文発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は患者さんの術中データを使用する臨床研究である。したがって研究を開始するにあたり、まずは順天堂大学の病院倫理委員会の承認を受ける必要があった。申請書、患者さん用説明書、同意書の作成や研究協力者の臨床研究についてのe-learning受講、倫理審査などに数ヶ月を要した。また、交付額が当初予算より少なかったため、本研究において中心的な役割を果たす局所フィールド電位記録解析システム(DBS測定システム)を再選定する必要があり、その選定にも時間を要した。また実際の手術において病院から機器の滅菌方法での問題点を指摘され、それをクリアするための接続ケーブルを特注で作製するのに時間を要した。これらの理由により実際の研究開始が遅れたため研究の達成がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに4例の患者さんで術中のLFP記録を行った。随時オフラインで周波数解析を行っており、β-band activityの増加を確認しているが、記録ノイズの鑑別や、データ収集における至適フィルター設定などについてはまだ十分とはいえず、関係技術者からの助言を得ながら試行錯誤中である。今後は当初の予定通りまずは20例程度を目安に術中のデータ収集を続け、データ収集における至適フィルター設定や解析方法を確立する。その結果をもとに従来の経験に基づく至適刺激パラメーター設定との関係について比較検討する。さらに運動負荷を行ってのLFP記録も行い、γ-band activityの周波数と実際の刺激周波数との関連についても検討する。これらの結果をもとにLFP記録に基づく刺激パラメーター設定と従来の設定による効果の比較を行い、より効果的なプログラミング法を確立する。
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Causes of Carryover |
局所フィールド電位記録収集解析システムが当初予定していたものより安価なシステムとなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後記録ノイズの軽減のための必要機器や解析ソフトなどを購入予定
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