2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26462297
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
内尾 祐司 島根大学, 医学部, 教授 (20223547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊橋 伸之 島根大学, 医学部, 講師 (00457178)
桑田 卓 島根大学, 医学部, 助教 (80509000)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 軟骨前駆細胞 / 変形性関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト変形性関節症(osteoarthritis:OA)軟骨を用いた軟骨前駆細胞(Chondroprogenitor cell:CPC)の単離とその形質の探索およびOA軟骨(細胞)に対するCPCの影響を探索するため、当大学医の倫理委員会の承認の下、変形性膝関節症あるいは変形性股関節症に対して人工膝関節全置換術および人工関節全置換術を受けた患者から、切除した関節から軟骨および骨髄を採取した。採取した軟骨と骨髄からFluorescently Activated Cell Sorting (FACS)解析を行って、CPCの候補と考えられる細胞を分離した。このCPC候補細胞はVistatinm(-),CD45(-), CD90(-), CD271(-), CD105(+), CD29(-) の表面抗原を持つことが明らかになった。これを増殖させ、増殖能およびその形質をさらにFACS、免疫組織学的検索、PCR解析などによって探索中である。 また、日本白色家兎を用いてケタミン筋肉注射麻酔下に膝関節を展開して内側半月板を切除しOAモデルを作製した。これは術後4週間で機械的なOAを作製することができる。このモデルを用いて、上記CPC候補細胞を術後4週の上記モデルに麻酔下に関節内投与した。また、同様に骨髄から分化誘導した骨髄幹細胞要細胞を対照として、これも同膝関節内に投与した。これによって、in vivoでのCPCのOAに対する軟骨保護作用やOAの進展について、組織学的、生体力学的に観察中である。 さらに、上記細胞をヒトOA軟骨片表面に播種して、CPCの軟骨片上での挙動についてSafranin O、Toluidine blue染色あるいはOil Red染色、Alizarin Redあるいはvon Kossa 染色し、軟骨片上でのCPCの軟骨分化能、脂肪分化能、骨化を探索中である。また、I,II,X型コラーゲン抗体による免疫組織染色を行い、CPCの分化を探索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト関節軟骨からの軟骨前駆細胞の候補となる細胞をFACS解析を行って分離可能となった。細胞数はわずかであるため、分離後増殖させて移植に使用する必要がある。有効な細胞数を得るための時間や培養液の工夫が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト関節軟骨からの軟骨前駆細胞の候補となる細胞をFACS解析を行って分離可能となったが細胞数はわずかであるため、有効な細胞数を得るための時間や培養液の工夫が必要であって、増殖後の表面マーカーの変化にも留意して研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
ヒト関節軟骨からの軟骨前駆細胞の候補となる細胞をFACS解析を行って分離可能となったが細胞数はわずかであるため、有効な細胞数を得るための時間や培養液の工夫が必要であり、その条件を設定するのに時間がかかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
有効なCPC細胞数を得るための条件を設定し、兎を用いたvivoでのCPCの有効性を検証していく予定である。
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