2014 Fiscal Year Research-status Report
新規抗酸化物質ETS-GSを用いた次世代脳保護薬の開発
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26462366
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
古賀 寛教 大分大学, 医学部, 助教 (50468013)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 抗酸化 / 脳保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、酸化ストレスの定量的評価法の一つとして、ラジカルをはじめ、多くの酸化ストレスマーカーの測定を行なってきた。しかし、検体採取から測定までの時間、検体の処理、保存法によって、データにばらつきが出るため、より精度を高めるESR(電子スピン共鳴)を用いた測定法として、昨年度は、生体から検体を遊離させることなく、例えば血液を体外循環させ、その過程で測定をする経時的な測定法の確立を模索してきた。しかし、流体検体から安定したラジカル信号をとらえることが難しく、定点での検体採取、測定が、現時点でのもっとも信頼できるデータ収集法と結論づけられる。一方で、同研究グル―プが、臨床の現場において血液検体からアスコルビン酸ラジカルをESR装置を用いて測定し、的確な周術期の酸化ストレス評価になりうることを見出している。今後、その手法を本研究における酸化ストレス測定法の一つとして組み込める可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ESRによる、生物検体測定手法の検討に試行錯誤しているため、やや予定プロトコールが遅れている。血液のような流体検体を経時的な測定法の確立を模索していたが、安定したラジカル信号をとらえることが難しいことから、定点での検体採取、測定に方針を固める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れている動物を使用する従来のプロトコールを本年度は遂行し、データ収集につとめる。一方で当研究グループでは、生体内の酸化ストレス、抗酸化能を評価する一つの手段として、ESR装置を用いたアスコルビン酸ラジカルの測定を進めてきており、昨年度も人血清を用いたデータ収集によりその手法が確立されつつある。このアスコルビン酸ラジカル測定が、本研究プロトコールにおいても有用なデータ収集が可能かを再検討し、従来の予定プロトコールに組み込んでいくかを検討課題として加えていく。
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Causes of Carryover |
ESR測定法の検討に時間が費やされたため、費用が比較的かかる動物実験系の検討に入れなかったため、資金を繰り越すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、遅れていた動物実験系を進め、昨年度の測定法の検討をもとに、プロトコールの遂行に努めることで、繰り越し資金を使用する予定である。
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