2015 Fiscal Year Research-status Report
代謝関連オミックス解析を用いた膀胱癌の新規発癌・進展経路の解明
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26462410
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺田 直樹 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60636637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 喜之 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00582107) [Withdrawn]
小林 恭 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00642406)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 膀胱癌 / 細胞老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
正常尿路上皮細胞株と比較して膀胱癌細胞株でPGAMの発現が上昇していることをウェスタンブロッティングで確認した。また非浸潤性膀胱癌細胞株よりも浸潤性膀胱癌細胞株の方が発現量が多いことを確認した。続いてshRNAを用いて、浸潤性膀胱癌細胞株J82,253JのPGAM発現抑制株を作製し、MTTassay、colony formation assay、scratch assay、invasion assay、BrdU標識を用いて表現型の変化を確認した。浸潤能・遊走能には変化が見られなかったが、MTTassayおよびBrdU標識の結果から、PGAMの発現抑制により増殖能が有意に低下することが示された。一方、非浸潤性膀胱癌細胞株でのPGAMの強制発現を種々のベクターを用いて試みたが、安定発現株を樹立できなかった。ここまでの結果より、解糖系酵素PGAMが膀胱癌細胞の増殖に関連することが示唆された。in vivo実験では、まずJ82のPGAM発現抑制株と親株をヌードマウスの皮下に移植したところ、発現抑制株では有意に増殖が抑制された。続いて野生株マウス及びPGAMトランスジェニックマウスにBBN0.5%を10週投与して発癌率を確認したところ、PGAMトランスジェニックマウス群の方が高い発癌率であった(WT:8.3%,PGAM-Tg:25.0%)。以上よりPGAMがin vivoにおいて増殖能および発癌過程に関係することが示唆された。ヒト臨床検体での免疫染色では、浸潤の程度とPGAMの染色レベルには相関を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始時に想定していたメカニズムと矛盾する結果となり、実験系の再構築に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
患者検体からのtissue microarayを作製し、多検体で免疫染色と臨床像の相関を確認する。
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