2016 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research to realize personalized medicine based on pharmacogenomics and drug discovery in benign prostatic hyperplasia
Project/Area Number |
26462448
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小島 祥敬 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60305539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 知彦 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20363765)
櫛田 信博 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30381396)
羽賀 宣博 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50586617)
相川 健 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (80295419)
石橋 啓 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (90347211)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 前立腺肥大症 / 細胞増殖 / 網羅的遺伝子解析 / 繊維芽細胞 / TGF-β / IGFBP3 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年まで行ってきた前立腺肥大症モデル動物と用いた網羅的遺伝子解析による新しい創薬開発についての研究をさらに進展させた。胎仔ラットより尿生殖洞(UGS)のみを単離し、7週齢雄性ラットの前立腺被膜下に移植することで、ヒトBPHに類似したBPHモデルラットを作成した。BPH組織、対照として左腹側前立腺をそれぞれ採取し、α-SMA、vimentin陽性の筋線維芽細胞数を、免疫組織化学染色で評価した。また、TGF-β、IGFBP3の発現をWestern blotting、免疫組織化学染色で評価した(各n=4)。続いて、移植から2週、3週、8週後のBPH組織をそれぞれ採取し(各n=4)、経時的に組織学的評価、発現解析を行った。統計学的検定は、un-paired t検定を用い、p<0.05を有意差ありとした。BPH組織(9.2%)では、正常前立腺(4.5%)と比較して、筋線維芽細胞数の優位な増加が認められ、特に線維化の強い領域に豊富に存在していた。また、TGF-β、IGFBP3ともにBPHで優位な発現の増加が認められた。2週、3週、8週の評価では、筋線維芽細胞数、及びTGF-β、IGFBP3発現の経時的な増加が認められ、特にTGF-β、IGFBPの発現が筋線維芽細胞数の増加に先行して起こっていた。本研究により、BPHの増殖過程において、筋線維芽細胞への分化が活発に行われており、前立腺の線維化に関与してことが考えられた。またその分化に際しては、fibroblast-myofibroblast differentiationの促進因子としての、TGF-β、IGFBP3の発現増加が先行して起こっており、これらがBPH発症に大きく関与していると考えられた。網羅的遺伝子解析により得られた遺伝子解析をさらに詳細に検討することにより、前立腺肥大症発症メカニズムが解明されると期待された。
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[Presentation] 前立腺筋線維芽細胞の経時的変化からみた前立腺肥大症発症のメカニズムの解明.2016
Author(s)
秦淳也, 松岡香菜子, 胡口智之, 佐藤雄一, 赤井畑秀則, 小川総一郎, 片岡政雄, 羽賀宣博, 櫛田信博, 栁田知彦, 石橋啓, 相川健, 小島祥敬.
Organizer
第23回日本排尿機能学会
Place of Presentation
東京
Year and Date
2016-12-07 – 2016-12-07
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