2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel treatment for ED and LUTS induced by chronic pelvic ischemia
Project/Area Number |
26462462
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
羽賀 宣博 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50586617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 知彦 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20363765)
小島 祥敬 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60305539)
相川 健 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (80295419)
石橋 啓 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (90347211)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 勃起障害 / 陰茎 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢化社会を迎える本邦において、下部尿路症状(LUTS)と勃起障害(ED)は、ともに解決しなければならない緊急課題であるが、その病態は十分に解明されていない。これまで私達は、動脈硬化症の研究に広く用いられているバルーンカテーテルによる血管内皮障害の手技を応用した、慢性膀胱虚血ラットモデルを世界に先駆けて開発した。今回、このモデルを使用して、骨盤臓器虚血に伴って発症するED・LUTS発症のメカニズムを解明し、新規治療法の開発を試みた。特に今回の検討では、RhoA/ROK経路に着目した。膀胱機能に関しては、既に当教室において慢性骨盤臓器虚血に伴い、RhoA/ROK経路の機能が亢進し、膀胱機能障害が生じていることを報告している。したがって、今回、私達は勃起機能に関してRhoA/ROK経路の発現機能解析を行った。 方法は、慢性骨盤臓器虚血群とコントロール群において、1. 陰茎海綿体内の線維化の有無、2. 陰茎海綿体内のRhoA、ROKα、及びROKβの発現を免疫組織染色、及びウエスタンブロッティングにおいて検討した。結果は、1. 陰茎のマッソントリクローム染色上、慢性骨盤臓器虚血群において、有意に海綿体内の線維化の増生を認めた。2. 免疫組織染色及びウエスタンブロッティング上は、慢性骨盤虚血群において、陰茎海綿体平滑筋内のRhoA、ROKα、及びROKβの発現亢進を認めた。 今回の検討からは、RhoA/ROK経路の亢進に伴い、陰茎海綿体内の平滑筋の収縮が亢進し、その結果、海綿体内の血流障害が生じ、陰茎海綿体の線維化ならびにEDが発症しているのではないかと考えられた。したがって、ファスジル等Rhoキナーゼ阻害剤が、血管性EDに有用である可能性が示唆された。
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