2015 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児中耳貯留液の診断における1000Hzティンパノメトリーの有用性の検討
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26462558
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
片岡 祐子 岡山大学, 大学病院, 助教 (10362972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅谷 明子 岡山大学, 大学病院, 医員 (20600224)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 新生児聴覚スクリーニング / 1000Hzティンパノメトリー / メゼンカイム / 先天性難聴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新生児聴覚スクリーニング検査(Newborn hearing screening、以下NHS)で要精密検査となった児(耳)の中で、中耳貯留液、貯留物の存在が原因である児を1000Hzティンパノメトリーによりどれほどの精度で検出できるか検証することである。 平成26年度、平成27年度は、当院もしくは検査協力機関を受診したNHS要精密検査児に対して、初診時、生後3~6ヶ月時、9~11ヶ月時の①顕微鏡もしくは拡大鏡下での鼓膜所見、②他覚的聴力検査(ABRもしくはASSR)結果、③BOA、COR結果、④226Hzおよび1000Hzティンパノメトリー検査を行う予定であった。また、NHSで両耳パスであったが何らかの理由により、当院もしくは協力施設を受診した生後6ヶ月未満の児、NHS片耳要精密検査であった児においても、226Hzおよび1000Hzティンパノメトリーを実施することにしていた。 1000Hzティンパノメトリー機器の選定に時間を要したため、本年度は主に考察の基礎となるパイロットデータを収集した。現在のところ、乳児期早期の1000Hzティンパノメトリーの有用性も波形を解析する限りでは2峰性であったり、ピークが出現しにくかったりする傾向が強く、226Hz比較して明確なメリットは証明されていない。今後症例数を増やしていくことで、1000Hzティンパノメトリーの有用性と限界について検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度、27年度は「新生児聴覚スクリーニング検査要精密検査児(耳)の1000Hzティンパノメトリー評価」「正常聴力児(耳)の1000Hzティンパノメトリー評価」を予定している。目標症例数はそれぞれ120例、100例である。 現在のところ、120例に検査を実施しており、視診に加え、1000Hzティンパノメトリーおよび226Hzティンパノメトリー、ASSR、DPOAE等を行っている。保護者から研究協力が得られないケースもある。また中耳貯留液を有する症例も少ないため、目標症例数には到達していないが、平成28年度も検査を継続しながら解析を行う予定である。現在 1000Hzティンパノメトリーの中耳貯留液診断における有用性、また226Hzティンパノメトリーと比較した場合の差がみられるかについての検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、データ収集と並行して、これまで得られたデータの解析に着手している。 正常耳と中耳液貯留耳においてのデータをJerger、Marchant、Keiの分類法を用いて評価する。これらのデータを解析し、乳幼児における1000Hzティンパノメトリーの中耳貯留液診断における有用性、現在広く使用されている機器である226Hzティンパノメトリーと比較した場合に有意差がみられるかの検討を行う。 この結果は平成28年10月行われる日本耳科学会で報告を行う予定である。
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Causes of Carryover |
消耗品や旅費を使用した際に予定の金額より少額で抑えることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度において研究遂行のため消耗品や旅費等に使用する。
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