2016 Fiscal Year Annual Research Report
Trial of the microbiome analysis in the nasopharyngeal flora
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26462586
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小川 洋 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70264554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
錫谷 達夫 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40196895)
石岡 賢 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50305356)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 上咽頭細菌叢 / マイクロバイオーム |
Outline of Annual Research Achievements |
38例に対して上咽頭からの細菌採取を行い細菌培養と原疾患の関係、細菌培養と鼻汁好酸球との関係、細菌培養結果と血中IgEの関係について調べた。38例の年齢は38歳から80歳におよび、平均年齢は56.5歳 (標準偏差12.6)である。全例全身麻酔による手術症例であり手術に先立って、鼻腔内にシリコンチューブを挿入し、チューブを介して上咽頭から検体を擦過して採取した。手術対象となった疾患は真珠腫性中耳炎12例、慢性中耳炎6例、鼓室硬化症2例、外傷性耳小骨離断1例、顔面神経鞘腫1例、高度感音難聴1例、慢性扁桃炎5例、声帯ポリープ2例、喉頭蓋嚢胞1例、含歯性嚢胞1例、後鼻孔ポリープ1例、慢性副鼻腔炎3例、アレルギー性鼻炎1例、中咽頭腫瘍1例である。 結果:培養同定された細菌は複数の場合があったが、20%で培養陰性であった。疾患と培養された細菌との間に関連性は見いだせなかった。鼻汁好酸球と培養された細菌との間に一定の傾向はなかった。血中IgE値と培養された細菌との間に一定の傾向はなかった。同時に上咽頭から採取されたサンプルでは培養により菌が同定されたものの、PCRで増幅できず、次世代シーケンサーでは解析不能であった。検体処理の問題か、極めて少量の検体量であったのか、今回のPCRの条件ではDNAを増幅することはできなかった。これらの研究結果から、成人における上咽頭は細菌数が少ない環境であることがわかった。このことから、成人における上咽頭細菌叢の全身に与える影響は鼻腔、口腔咽頭と比較すると大きくない可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)