2015 Fiscal Year Research-status Report
質量分析計を用いた新規頭頸部癌唾液、血液マーカーの検出
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26462595
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 武則 東北大学, 大学病院, 講師 (50375060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 明 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40249983)
齋木 由利子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80311223)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 癌 / トランスレーショナルリサーチ / マイクロアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦における約5%を占める頭頸部癌において、その診断的価値のある腫瘍マーカーは皆無の状態であり、診断に有用な腫瘍マーカーの検出は重要な研究テーマとなっています。本研究内容は、頭頸部癌の新規診断、再発診断に有力なバイオマーカー検出のために、臨床サンプルを用いたトランスレーショナルリサーチにて、マイクロRNA解析、とくに、質量分析計を用いた解析を行う研修です。本年度の研究成果は、以下の通りでした。 1、サンプル採取(癌部分、血液、正常粘膜)は、倫理承認、同意書取得の後、目標の50例を終了いたしました。 2、血液中のRNAなどの核酸、蛋白の一部は、エクソソームという細胞外小胞にパッケージされて循環しています。今回の主な研究対象である血漿circulatingマイクロRNAにおてもエクソソーム内に存在すると考えられることから、血漿からキットを用い、エクソソーム抽出を行いました。エクソソーム抽出後のqRT-PCRを行い、エクソソーム内のマイクロRNAの抽出成功を確認し、数種類のマイクロRNA発現がサンプル間で異なっていることを発見いたしました。しかし、抽出RNA量の問題でマイクロアレイ解析は行えませんでした。 3、そこで、同一検体の腫瘍、正常粘膜からマイクロRNAを抽出し、マイクロアレイ解析を行ったところ、数種類の癌で発現亢進または低下しているマイクロRNAを同定しました。 4、頭頸部癌患者からの血漿エクソソームを用い、質量分析解析(MS/MS)解析を行いました。血漿タンパクのノイズも多いため、抽出法を変更しながら解析中です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サンプル採取が終了していること、分子生物学的な手法を用いた研究が着実に進行していることより、本研究の進捗状況はおおむね順調であると考えております。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究実績の概要3で抽出したマイクロRNAの血液内の変動を見ることで、バイオマーカーとしての有用性を検討します。さらに、質量分析計を用いた検討を続けることで、新規バイオマーカーの抽出を行っていきます。
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Causes of Carryover |
実験が順調に進み物品の購入が不要になったため次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在解析中の物品費に使用する。
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