2015 Fiscal Year Research-status Report
網膜症極前期におけるオートファジー関連機構を介した血管細胞死メカニズムの解明
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26462671
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
高木 均 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (70283596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北岡 康史 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (10367352)
宗正 泰成 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30440340)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オートファジー / 糖尿病網膜症 / 網膜血管細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病網膜症は網膜血管の周皮、および内皮細胞変性により、毛細血管瘤、ghost vesselが形成され、やがて無灌流領域に進展し、網膜虚血へと進行し、血管増殖が惹起される。この糖尿病網膜症の病態は、網膜血管の細胞死と、それに引き続いて起こる細胞増殖であり、その初端は網膜血管細胞の死である。細胞死にはアポトーシスとネクローシスが既知であるが、近年、第三の細胞死のメカニズムとしてオートファジーが注目されている。本研究では高血糖下におけるオートファジーの網膜血管に与える影響とメカニズムを解明し、新たな細胞死のメカニズムを解明することで、新規治療薬の開発を目指す。 昨年の実験で高血糖負荷したヒト網膜血管内皮細胞(HRMEC)とヒト臍帯静脈血管内皮細胞ではVCAM1やICAMといった炎症関連遺伝子が上昇すること、そしてそれらはストレプトゾトシン誘発ラットの網膜においても同様であったことを確認している。そしてIn vitroによる実験系において、高血糖による細胞死を確認している。その実験では予備実験としてアポトーシスの指標であるカスパーゼを定量したが、現在はオートファジーを定量している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年行うことができなかった網羅的遺伝子解析を行った。その方法として、高血糖負荷したHUVECを用いてRNAシークエンシングを行い、全ゲノム上の転写を解析した。その結果高血糖によって明らかに上昇、あるいは転写が抑制されている転写産物を多く発見した。全ゲノムを解析した膨大なデータであるため、現在はさらなる詳細な解析をすすめて、オートファジーに関わる原因遺伝子、あるいはノンコーディングRNAの特定を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的遺伝子解析(RNAシークエンシング)によって発見した原因遺伝子、あるいはノンコーディングRNAをノックダウン、あるいは過剰発現することで、オートファジーに対しどのようなフェノタイプを示すか、In vitro、In vivoの実験にて評価を行う。
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Causes of Carryover |
RNAシークエンシングを共同研究施設で行うことができたため、その分の費用負担が軽減した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に行う予定のオートファジーに関わる原因遺伝子、あるのはノンコーディングRNAの特定に必要な実験に必要な消耗品等に使用していく予定である。
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