2015 Fiscal Year Research-status Report
新規脂質酸化マーカーを用いた光照射由来一重項酸素の生体内動態とルテイン効果の検証
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26462687
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
大平 明弘 島根大学, 医学部, 教授 (00169054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海津 幸子 島根大学, 医学部, 助教 (00325052)
谷戸 正樹 島根大学, 医学部, 客員研究員 (30284037)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 一重項酸素 / 脂質酸化マーカー / ルテイン / HODE |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢黄斑変性(AMD)の発症原因は、遺伝、生活習慣、酸化ストレスなど幾つかの因子が関係しているが、特に酸化ストレスが発症原因として大きなウェイトを占めていると考えられている。黄斑色素であるルテインは抗酸化物質としての役割以外に、青色光に対するフィルターとしての役割を果たすため、AMDの予防・進行抑制のために摂取することが推奨されている。本研究では、新たに開発された一重項酸素特異的酸化ストレスマーカーを利用して、 (1)光照射による一重項酸素の動態:」ラットの網膜に光を照射した際、発生した一重項酸素による脂質酸化物は網膜および血中でどの様な経時的変化をするか (2)ルテインの効果を検証:AMDの予防あるいは進行を抑制するためにルテインの摂取が推奨されているが、摂取したルテインは実際に生体内で一重項酸素消去に寄与しているのか の2点について調べることを目的としている。 現在、黄斑色素量測定のための機器が故障により使用できないため、代替研究としてAMD以外の疾患と一重項酸素との関わりについて調べるためサンプルの収集を行った。対象は、AMD、糖尿病網膜症、緑内障、網膜血管閉塞症(ARVO、CRVO)、白内障、その他の網膜疾患とし、血液と前房水を採取した。血液は遠心(4℃、3000 rpm、10分)した後に血漿のみを採取し、前房水と共に-80℃で保存した。白内障以外のサンプルについて解析に充分な数が揃い次第、研究協力機関である産業技術総合研究所で測定を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
動物実験についてはやや遅れ気味ではあるが、ある程度予定されていたサンプル採取は終了している。 一方で、ルテインサプリメントの摂取による黄斑色素の変化を観察する検証実験において、黄斑色素の測定を行う機械が故障しており何度か修理を行ったものの不安定な状態が続いており、実験に使用できないでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験についてはこのまま行う事とする。黄斑色素量と血中HODEとの関係については機械の故障を修理する方法を模索している。海外より測定器の作製者を招聘する事も考えているが、機械自体が大変古いこともあり、完全に修理できるかは判らない。従って、黄斑色素量との相関は見られないものの、検証項目を変更して血中ルテイン濃度と血中HODEとの関係について検証することを計画している。現在代替研究として加齢黄斑変性以外の疾患とHODEの関係について調べるためのサンプルを収集している。数が揃い次第、研究協力機関の産業技術総合研究所で測定を行う予定である。また、動物のサンプルについては既に揃っているが、ヒトサンプルを先に測定する方が効率が良いとの事情から冷凍保存している状態である。
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Causes of Carryover |
黄斑色素測定用の機器の不具合によりヒト関連の研究が行えない状態である。そのため、研究全体に遅れが生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の理由により研究が遅れている。現在代替研究として加齢黄斑変性以外の疾患とHODEの関連について調べるため、サンプルの収集を行っている。黄斑色素量測定機器の修理と平行して、代替研究を進めるために予算を使用する予定である。
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