2015 Fiscal Year Research-status Report
マウス各発達段階組織を用いたヒト小児肝腫瘍、腎腫瘍における腫瘍関連遺伝子の検討
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26462717
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
杉藤 公信 日本大学, 医学部, 助教 (10328750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 恭子 日本大学, 医学部, 助教 (40595708)
越永 從道 日本大学, 医学部, 教授 (70205376)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでに絞り込みを行った、肝芽腫細胞株で2遺伝子(C、D)、腎芽腫細胞株で2遺伝子(A、D)についてMassARRAY Epityperによる定量的DNAメチル化解析を行い、それぞれ正常肝および腎組織とDNAメチル化状態を比較検討した。その結果、肝芽腫細胞株で1遺伝子(D)、腎芽腫細胞株で1遺伝子(A)に正常組織とメチル化状態について変化を認めた。この結果より我々は、肝芽腫における遺伝子(D)の機能を解析するため、遺伝子(D)に対するsiRNAを用意し、肝芽腫細胞株(HepG2、Huh6、clone5)に導入したところ、遺伝子(D)が有意に抑制されることを確認した。また、遺伝子(D)のfull lengthのcDNAを用意しており、肝芽腫細胞株へLipofection法で導入し、定常発現株の作製を試みている。抗生剤存在下でセレクションし、シングルクローンを30 株ほど得たため、現在、real-time PCRおよびWestern blottingで発現の定量を行っているが、安定発現株の樹立はできていない。 腎芽腫においても、遺伝子(A)に対してのsiRNAおよびfull lengthのcDNAを用意しており、現在、肝芽腫と同様の手法で、腎芽腫細胞株(SK-NEP-1、G401)に対して、siRNAの発現抑制の確認および定常発現株の樹立を試みている。 今後、肝芽腫細胞株、腎芽腫細胞株でそれぞれ遺伝子(D)、遺伝子(A)の発現抑制および強制発現で、細胞の増殖・遊走・浸潤能の機能を解析し、変化を認めた場合には、下流遺伝子の発現状態についての詳細な解析を行い、新規治療標的遺伝子となり得るかを検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝芽腫細胞株、腎芽種細胞株と正常肝および腎組織を用いて、MassARRAY Epityperによる定量的DNAメチル化解析の結果、それぞれの候補遺伝子が1つに絞り込まれた。現在それぞれの遺伝子について、細胞株を用いた機能解析をするための予備実験として、発現抑制および強制発現の効果を検討している。今後、遺伝子の機能解析を行う準備として順調に実験計画が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
肝芽腫細胞株、腎芽種細胞株を用いてそれぞれ遺伝子(D)、遺伝子(A)の発現抑制および強制発現を行い、細胞増殖、浸潤、遊走能などに影響を与えるかどうか、in vitroで検討する。変化を認めた場合には、下流遺伝子の発現やリン酸化状態についてReal-time RT PCRおよびWestern blottingで詳細な解析を行う。定常発現株が樹立できた場合には、ヌードマウスを用いて、細胞株をヌードマウスに移植し、腫瘍モデルマウスを作製する。コントロールとしてMockベクター導入細胞株を移植した腫瘍モデルマウスを作製し、腫瘍の増殖、転移を比較検討する。 これまでのin vitro、in vivoの結果をもとに、それぞれの遺伝子が肝芽腫、腎芽種における新規治療標的の遺伝子となり得るか検討する。
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