2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of predictive methods for clinical prognoses at ultra-acute and acute phases after carbon monoxide poisoning
Project/Area Number |
26462764
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
別府 高明 岩手医科大学, 医学部, 教授 (70275543)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 俊朗 岩手医科大学, 医学部, 助教 (60405842)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 一酸化炭素中毒 / フリーラジカル / 慢性期神経障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
フリーラジカルはCO暴露から大脳損傷に至る過程のメディエーターとなっている。よって、フリーラジカルの制御は、その後のCO中毒後遺症の抑制に繋がると仮説した。Edaravoneは、フリーラジカルに電子を供給することによりフリーラジカルを消去し、酸化障害抑制作用、神経細胞保護作用、脳浮腫抑制作用をもたらす。本学救急センターの合同で、岩手医科大学倫理委員会承認のもと、CO中毒症例におけるedaravoneの効果を検討した。25例に対して搬送直後から7日間edaravoneを投与した(edaravone群)。また、別の25例を無作為かつ連続的に抽出しコントロール群とし、両群を比較した。結果、持続的に神経症状が継続する遷延型症状の発生頻度は、有意差がないもののedaravone群がコントロール群より低い傾向であった。一方、遅発性に神経障害を呈する遅発型の発生頻度は、両群で有意な差異はなかった。次に、慢性神経障害を呈した症例を抽出し、CO中毒後慢性期の認知障害と日常生活動作をスコアリングしてedaravone群とcontrol群間で比較した。Edaravone使用症例は、有意差はないがcontrol群に比較して症状の改善を認めた。今回の検討では期待以上の結果は得られなかった。理由として、edaravone投与量前にすでに脱髄プロセスのtriggerが引かれている可能性、edaravoneの有効性を上回る量のフリーラジカル発生の可能性、フリーラジカル以外の脳損傷プロセスの依存性の可能性などが考えられた [Mori K, Beppu T, Fujisawa Y, Onodera M, Ogasawara K, Sasaki M, Ehara S, Sakai A, Endo S: Effect of free radical scavenger, edaravone, for patients with carbon monoxide poisoning. Clin Neurol Neurosurg 2015; 139: 56-61]。
|