2017 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanisms of a quasi-legal drug toxicity
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26462766
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
塩田 勝利 自治医科大学, 医学部, 准教授 (40398516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舩田 正彦 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, その他, その他 (20299530)
西嶋 康一 自治医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30198460)
岩村 樹憲 松山大学, 薬学部, 教授 (70184900)
小林 聡幸 自治医科大学, 医学部, 教授 (70296101)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脱法ハーブ / 危険ドラッグ / 合成THC / カチノン系薬剤 / 薬物乱用 / 緊急医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
脱法ハーブは大部分を占める乾燥植物片には薬理効果が無く、混在されている合成THC(Tetrahydrocannabinol)やカチノン系薬物等の乱用性成分が効果を発揮している。これらの成分により精神症状や身体症状が出現するが、治療は確立させておらず臨床現場では対症療法がなされるのみである。そのため合成THCやカチノン系薬剤の作用機序の解明を行い、脱法ハーブ中毒の治療法の確立を目指す。 カチノン系薬剤である3',4'-Methylenedioxy-α-pyrrolidinohexiophenone(MDPHP)が、マウスの体温にどのような影響を与えるか検討した。またMDPHPによる体温変化が抗精神病薬であるrisperidoneが抑制するかも検討した。ICR雄性マウスにrisperidone0.5mg/kgまたは対照群として生理食塩水を腹腔内投与し、15分後にMDPHP10mg /kgを腹腔内投与した。室温は24度で行い、MDPHP投与時を0分とし、240分後まで直腸温を測定した。生食群ではMDPHP投与により、37.1℃より投与後60分の38.5℃まで上昇した。Risperidone前投与群ではMDPHPを投与しても体温上昇を認めず、0分から120分まで有意に体温上昇を抑制した。この結果からrisperidoneはカチノン系薬剤の高体温を抑制し、カチノン系薬剤を含有する脱法ドラッグの治療薬になる可能性が示唆された。 また共同研究者の舩田らは、合成THCであるAM2201をICRマウスに投与し、前頭頭頂葉皮質脳波で異常spike波が出現すること、また海馬でグルタミン酸濃度が上昇することを明らかにした。これらから合成THCが臨床上けいれん発作を引き起こす機序の一端を明らかにした。
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Research Products
(1 results)