2015 Fiscal Year Research-status Report
Bone lining cellsを標的としたエピゲノム制御による骨再生への展開
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26462785
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉岡 広陽 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (50523411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉子 裕二 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (20263709)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Bone lining cells / エピジェネティクス / 骨形成 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,昨年度に樹立した骨関連細胞の細胞膜またはゴルジ体をそれぞれVenusまたはmCherryで標識したレポーターマウスを用いて,骨芽細胞,Bone lining cellsおよび骨細胞について成長や加齢に伴う組織学的分布ならびにゴルジ体の発達度合いを観察した.3週齢,8週齢,6ヶ月齢のマウス大腿骨について,矢状断切片を作製し,免疫組織染色により観察した.よく発達したゴルジ体を持つ立方体の骨芽細胞は,3週齢では海綿骨,皮質骨ともに,ほぼすべての骨表面に並んでいるが,8週齢では点在するようになり,6ヶ月齢ではごくわずかに存在するのみであった.比較的ゴルジ体に乏しく扁平なBone lining cellsは,3週齢,8週齢ともに骨外膜に点在する様子が観察されたが,6ヶ月齢ではごくわずかに存在するのみであった.骨細胞は,3週齢,8週齢では比較的大きく,よく発達したゴルジ体を持つが,6ヶ月齢では小さく扁平でゴルジ体に乏しい構造を示した.以上により,成長・加齢に伴うダイナミックな細胞組織構造変化が明らかとなった.また,このレポーターマウス(2-4日齢)の頭蓋冠からコラゲナーゼ消化により頭蓋冠由来細胞(骨原生細胞)を採取し,骨分化誘導培地にて初代培養したところ,石灰化ノジュールの形成とともに,Venus陽性の脂肪細胞の存在が認められた.つまり,少なくとも培養系では,一部の骨芽細胞にコミットした細胞が脂肪細胞に分化転換することが確認され,骨芽細胞の不均一性(heterogeneity)が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
活性型骨芽細胞とBone lining cellsを区別して可視化できるマウス系統の樹立に想定以上の時間がかかり,詳細な分子機構の解析にまで到達できていない.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の解析より明らかとなった骨芽細胞の不均一性に注目するとともに,Bone lining cellsの特性を組織学的ならびに分子生物学的解析により明らかにしていく.まず,骨芽細胞の不均一性を解析するために,次世代シーケンサーを用いて1細胞レベルでの網羅的トランスクリプトーム解析を行う.また,Bone lining cells を規定する転写制御ネットワークの解明を目的として,Bone lining cells における網羅的トランスクリプトーム解析を行う.Bone lining cellsの分化におけるマスター転写因子やエピゲノム制御因子となる固有分子を同定し,その発現の骨組織分布を明確にする.以上の実験から得られた結果をもとに,Bone lining cellsを骨芽細胞へと再活性化する機構を解明する.
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Research Products
(6 results)