2016 Fiscal Year Research-status Report
口腔粘膜のびらん・潰瘍病変における抗原提示能とオートファジー解析による治療創生
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26462832
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 由美子 東北大学, 大学病院, 助教 (30235866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 高嗣 東北大学, 歯学研究科, 教授 (10125560)
菅原 俊二 東北大学, 歯学研究科, 教授 (10241639)
西岡 貴志 東北大学, 歯学研究科, 助教 (50641875)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口腔粘膜疾患 / 剥離細胞診 / 組織細胞診 / 口腔扁平苔癬 / びらん・潰瘍病変 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔扁平苔癬は慢性炎症性角化病変で難治性の疾患である。白板症や初期口腔癌および他の紅斑・びらん・潰瘍性疾患との鑑別が必須で、的確な診断と長期的な経過観察が必要である。今回我々は、口腔扁平苔癬と臨床診断した症例について生検を行い、組織診断と細胞診断とを比較検討し若干の知見を得たので報告する。 (対象および方法)口腔扁平苔癬と臨床診断した10症例を対象とし、確定診断目的にて組織と剥離細胞の病理生検を行った。臨床診断では臨床病型はAndreasenの分類、剥離細胞診断ではClassIとIIを陰性、ClassIIIを疑陽性、ClassIVとVを陽性とした。 (結果) 臨床病態が白斑型3例中2例で組織診断がsquamous cell carcinoma, early invasive、細胞診断はClassII陰性であった。網状型2例では組織診断はLichen planus で上皮組織内に異型細胞が散見し、細胞診断はClassII陰性であった。 びらん型の5例では組織診断はLichen planus、細胞診断は1例がClassIII疑陽性、4例はClassII陰性であった。したがって10症例中5症例に組織診断と細胞診断に所見の違いがあり、口腔扁平苔癬においては白色型(白斑型と網状型)で異型細胞の検出が困難であった。 (考察)細胞診断では口腔粘膜表層を擦過し採取した細胞を対象としており、初期口腔癌の症例では基底膜付近や粘膜下層の炎症像および浸潤像などは確認できない可能性が考慮される。また、口腔扁平苔癬では炎症による反応性~再生性の細胞像が核形態に悪性を疑わせる所見を呈する場合がある。しかしながら、細胞診断は広範囲な病変から非侵襲性に3次元的に検体採取が可能である点では組織診断よりも優っている。したがって、口腔扁平苔癬では組織診断が必須であり、細胞診断は補助診断として有用であると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Th細胞の発現を免疫組織学的に検索するのに時間がかかっており、研究成果がやや遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに組織細胞学的にTh細胞の発現を検討していく。
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Causes of Carryover |
Th細胞の発現を免疫組織学的に検索する必要が生じたため、次年度に研究計画を延長した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
口腔粘膜におけるP2X7受容体およびTh細胞の免疫組織学的発現を検索するために、資料収集と抗体試料の購入の費用に使用計画するものである。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Two-type classification of OLP from a nationwide survey in Japan2016
Author(s)
Kazuo Komiyama, Daisuke Ito, Yoshinori Jinbu, Yumiko Sugawara, Seiji Nakamura, Takashi Fujibayashi,Takashi Saku, Akio Tanaka, Hiromasa Hasegawa, Hatsuhiko Maeda
Organizer
2016 merican Academy of Oral Medicine
Place of Presentation
Atlanta,USA
Year and Date
2016-04-06 – 2016-04-08
Int'l Joint Research