2017 Fiscal Year Annual Research Report
Therapeutic innovation in oral mucosal leasions with erosion and ulcer by analyzing antigen presenting ability and autophagy
Project/Area Number |
26462832
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 由美子 東北大学, 大学病院, 助教 (30235866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 高嗣 東北大学, 歯学研究科, 教授 (10125560)
菅原 俊二 東北大学, 歯学研究科, 教授 (10241639)
西岡 貴志 東北大学, 歯学研究科, 助教 (50641875)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口腔粘膜疾患 / 剥離細胞診 / 組織細胞診 / 口腔扁平苔癬 / びらん・潰瘍病変 |
Outline of Annual Research Achievements |
粘膜類天疱瘡は、主に口腔粘膜や眼粘膜に水疱やびらんが生じる自己免疫性水疱症である。即ち、粘膜上皮基底膜部の構成タンパク質であるBP180やラミニン332などを標的とする自己抗体が水疱形成に関与している。現在、抗体検査として抗BP180抗体検査が唯一保険適用されているが、粘膜類天疱瘡患者では抗BP180抗体が陰性を示す場合も少なくない。今回我々は、抗BP180抗体が陰性を示し、金属アレルギーや薬物アレルギーとの鑑別に苦慮した2症例について報告した。粘膜類天疱瘡の抗原は、BP180以外にもいくつか挙げられており、抗BP180抗体検査のみでは確定診断は困難である。類天疱瘡は厚生労働省指定難病であり、他の全身疾患との鑑別が必須である。早期診断・治療が望まれた。 口腔粘膜疾患は全身疾患と密接に連関し、1.全身疾患(皮膚科疾患、内科疾患)の初発症.状として発現することがある、2.全身疾患の部分症状として発現することがある、3.多くが炎症性疾患である、4.特に生理的障害を示さない先天性形態異常がある、などの特徴がある。感染や機械的刺激などによる二次的変化を受けやすく、病期によって病態が変化しやすい。したがって、定型的な臨床所見・ 病理所見を示さないことがあり、診断に苦慮する場合も少なくない。とくに、びらん・潰瘍病変を伴う口腔粘膜疾患は難治性であり、臨床経過も長く疼痛症状による摂食障害など患者の苦痛は大きいが、未だ発現機序が不明なものが多く、十分な治療法が確立されていないのが現状である。びらん・潰瘍病変あるいは紅斑・萎縮病変を伴う口腔粘膜疾患の代表的な疾患としては、口腔扁平苔癬、多形滲出性紅斑、類天疱瘡、天疱瘡、口腔粘膜炎、非特異的口内炎、再発性アフタやヘルペス性口内炎、鉄欠乏性貧血、口腔カンジダ症などがあげられる。まずは疼痛症状を伴う口腔粘膜疾患を的確に診断し治療を進めることが肝心である。
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Research Products
(6 results)