2014 Fiscal Year Research-status Report
歯周病原細菌による菌血症モデルを用いた心血管系疾患の発症メカニズムの検討
Project/Area Number |
26462850
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
藤野 あかね 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20405327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大迫 文重 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10398406)
山本 俊郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40347472)
喜多 正和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60153087)
金村 成智 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70204542)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マウス菌血症モデル / 歯周病原菌 / 心血管系疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】「健康日本21」において、生活習慣がもたらす生活習慣病として「歯の健康」が明記され、生活習慣の改善として口腔内環境が重要視されるようになった。現在、「歯周病が全身にどのように影響を与えるか」という歯周医学に関する報告がされるようになった。そして、歯周病と動脈硬化・心臓病、骨粗鬆症、肺炎、喫煙、糖尿病、肥満・高脂血症、低体重児出産・早産などとの関連について研究されている。そのなかでも、糖尿病との関係が代表的であるが、その他にも近年、心血管系疾患と歯周病との関係について多数報告がある。これには、歯周病原細菌自体、またはLPSやその他菌体構成成分が影響を与え、冠動脈血管の内皮細胞、心内膜細胞が関与している可能性が高い。 そこで本研究では、ヒト冠状動脈内皮細胞(HCAECs; Human Coronary Artery Endothelial Cells)を用いて、代表的な歯周病原細菌であるP. gingivalisのLPS刺激に対する炎症性サイトカイン発現を測定し、歯周病原細菌がヒト冠状動脈内皮細胞に及ぼす影響について検討を行った。 【方法】HCAECsを、増殖因子EGM-2MV(EBM™-2 Microvascular Endothelial Cell Growth Medium-2 SingleQuots™ Supplements and Growth Factors)を添加したEBM-2 (Endothelial Cell Basal Medium-2)培地にて継代培養し実験に使用した。HCAECsを1×105の濃度で24穴プレートに播種し、P.gingivalis LPS(0.1,1,10μg/ml)刺激した。刺激6時間後、24時間後のIL-1β(interleukin 1-beta)、IL-6(interleukin-6)およびTNF-α(Tumor necrosis factor-alpha)の遺伝子発現をreal-time PCR法にて測定した。 【成績】Real time RT-PCRにてLPS刺激6時間後、24時間後いずれにおいても時間依存的にIL-1β, IL-6, TNF-αの発現増加を示した。 【考察】以上より、歯周病原細菌がヒト冠状動脈内皮細胞における炎症反応の起炎菌と成りうる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス大動脈より心臓血管内皮細胞を分離することを試みたが、分離培養は困難であった。このため、ヒト冠状動脈内皮細胞を用いた研究を行っているため、実験の遂行が、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に引き続き、real-time PCR法を継続し、これまでに行ったサイトカインに加え、その他のサイトカインについても検討を行う。さらに、培養上清中のタンパク産生をELISA 法により測定する。また、形態学的変化を検鏡像にて比較する。加えて、LPS刺激による細胞活性の変化(WSTアッセイ)の検討を追加で予定している。 平成26年度に引き続き、心臓病態におけるIL-17関連遺伝子やTh17関連遺伝子について検討し、そのシグナリングを解明する。また、歯内歯周病変モデルを作製し、口腔内から菌血症を起こす理想的な菌血症モデルを完成させる。
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