2015 Fiscal Year Research-status Report
歯周病原細菌による菌血症モデルを用いた心血管系疾患の発症メカニズムの検討
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26462850
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
藤野 あかね 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20405327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大迫 文重 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10398406)
山本 俊郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40347472)
喜多 正和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60153087)
金村 成智 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70204542)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マウス菌血症モデル / 歯周病原菌 / 心血管系疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,心血管系疾患と歯周病との関係についての報告が多数認められ,歯周病原細菌のLPSや菌体構成成分などが冠動脈内皮細胞や心内膜細胞に影響を与える可能性が示唆されている。そこで,ヒト冠状動脈内皮細胞を用いて,P. gingivalis LPS刺激に対する炎症性サイトカインを測定し,歯周病原細菌がヒト冠状動脈内皮細胞に及ぼす影響について検討を行った。 ヒト冠状動脈内皮細胞は,増殖因子を添加した培地にて培養, P. gingivalisで刺激を行った。その後, IL-6,IL-1β,TNF-αをreal-time PCR法とELISA法で, ICAM,VCAMはreal-time PCR法にて測定した。なお, 細胞活性をWST-assayにて測定した。 LPS刺激6,24時間後,時間依存的にIL-6,IL-1β,TNF-αの発現が増加した。また,LPS刺激後, IL-6の産生が増加した。そして, 細胞活性は増殖曲線を示した。 以上より,歯周病原細菌がヒト冠状動脈内皮細胞における炎症反応の起炎菌と成りうる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請書に従い、マウス大動脈から心臓血管内皮細胞の分離を予定していたが、速やかに実施できなかった。このため、ヒト冠状動脈内皮細胞を用い、前年度に引き続き、培養上清中のタンパク産生・形態学的変化・WSTアッセイを実施しているために、研究の遂行がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果をもとに、心臓病態におけるIL-17関連遺伝子やTh17関連遺伝子について検討し、そのシグナリングを解明する。口腔内から菌血症を引き起こす理想的な菌血症モデルの完成をめざす。
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Causes of Carryover |
今年度の研究遂行に必要な物品を購入したが、当初予定と差額が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の直接経費としてさらなる研究の遂行に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)