2016 Fiscal Year Research-status Report
KLF依存性細胞分化‐EMT誘導因子の同定と口腔癌進行抑制効果の解析
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26462859
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
今井 一志 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (10328859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 遙 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (20372980)
千葉 忠成 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (60350138)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | KLF5 / Sp3 / プロモーター |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトKLF5遺伝子の基本的発現に不可欠な必要最小領域(minimal essential region、MER)を決定するため、9種類の長さが異なるプロモーター領域をルシフェラーゼ遺伝子の上流に繋いだレポータープラスミドを構築した。口腔癌細胞株を含む9種類の細胞株をもちいてレポーターアッセイを行ったところ、転写開始点下流の+145~+330がMERであることが判明した。MERには6か所のGC boxが存在することから、それぞれに変異をを導入したミュータントを作製し、レポーターアッセイを行った。その結果、1か所のGC boxがMERの転写制御活性に重要であることがわかった。GC boxに結合する転写因子であるSpファミリーのうち、口腔癌細胞にはSp1とSp3が発現することから、これらの関与について検討した。定量的クロマチン免疫沈降(ChIP)により、Sp3が主に結合することが示され、GC box変異体には結合しないことが明らかになった。short interfering RNA(siRNA)を細胞に導入しレポーターアッセイを行ったところ、Sp3 siRNAがレポーター遺伝子の発現を有意に低下させた。内在性KLF5についてもSp3 siRNAによる発現抑制が確認された。こららの結果は、Sp1 siRNAと対比して行ったものであり、Sp1に比較してSp3がKLF5遺伝子のMERに結合し、その基本的発現をコントロールする転写因子であることが明らかになった。これらの結果を原著論文として発表した(Mihara et al., Gene 601: 36-43, 2017)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の第一目標であるKLF5遺伝子発現制御機構の解明は順調に進行し、その成果を関連学会および原著論文として発表した。第二の研究目標であるKLF依存性細胞分化-EMT誘導因子の同定については現在解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
KLF5遺伝子発現機構の解析において生じた疑問点を継続的に解析する。また、細胞分化-EMT誘導因子の同定についても併行して解析を行う。
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Research Products
(2 results)