2014 Fiscal Year Research-status Report
歯周病細菌外膜ヴェシクルの免疫病理と異菌種外膜ヴェシクル間相互作用に関する研究
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26462866
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
中尾 龍馬 国立感染症研究所, その他部局等, 主任研究官 (10370959)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 外膜ヴェシクル / 粘膜免疫 / 歯周病 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラム陰性菌は直径20-200nm程度の小胞を菌体外に産生する。これを外膜ヴェシクルとよぶ。 歯周病細菌Porphyromonas gingivalisの外膜ヴェシクルを二次元電気泳動で展開し二次元マップ上の53スポットをLC-MS/MS解析にて同定した。さらに二次元展開した抗原をPVDF膜上に転写し、外膜ヴェシクルにより経鼻免疫したマウス血清を当てたところ、LPSおよびジンジパインをはじめとするA-LPS修飾タンパク等、幾つかのイムノドミナント抗原を同定することができた。 また、P. gingivalis、大腸菌、髄膜炎菌の外膜ヴェシクルに対するマウスの粘膜免疫応答を調べた。いずれの種由来外膜ヴェシクルとも、TLR3アゴニストとの同時投与により、血中および唾液中に多くの菌特異的イムノグロブリンの産生を誘導することが可能であった。また、血清中はIgGが主体であるが、そのサブタイプは同じ外膜ヴェシクルであっても、PgはIgG1、大腸菌と髄膜炎菌はIgG2aが豊富であった。以上より、ヴェシクルの誘導する免疫型は、種によって異なることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯周病細菌等の外膜ヴェシクルの免疫学的な役割が明らかになってきているため。
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Strategy for Future Research Activity |
外膜ヴェシクルの免疫原性、免疫病理、免疫型などを明らかにし、外膜ヴェシクルと疾患形成とのかかわりを明らかにする。また外膜ヴェシクルの予防・治療的応用の可能性について検討する。
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Causes of Carryover |
2015年3月末から4月頭にかけ、国際学会に出張したが、この経費は来年度の研究費で支払いをする予定であるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
3月~4月の国際学会(Keystone Symposia, Tahoe, CA)発表旅費として約40万円を計上する予定。それ以外は当初予定と変わりない。
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