2017 Fiscal Year Research-status Report
Xeエキシマランプを使用した象牙質接着システムの開発
Project/Area Number |
26462874
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
礪波 健一 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (20334427)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 直彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (20242216)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | Xeエキシマランプ / 象牙質接着強さ / せん断接着強さ / コンポジットレジン / 光化学表面処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
Xeエキシマランプを使用した象牙質接着システムの開発を目的として、Xeエキシマランプにて大気中で表面処理を行った象牙質にボンディング処理後、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡で形態観察を行い、さらに元素分析を行って表面性状の分析を行った。その結果、同手法により象牙質表面の炭素の量がボンディング層より移行的に増加しており、ボンディング材が象牙質内に侵入していることが推測された。同手法で得られた象牙質処理面のコンポジットレジンとの接着強さを検討するため、Xeエキシマランプにて大気中で表面処理を行った象牙質にボンディング処理後、コンポジットレジンを築盛し、せん断接着試験を行った。その結果、約40%の試験片の応力ひずみ曲線上に著しい塑性変形後に低強度破断が生じていることが観察された。そこで、せん断接着試験後の破断面を光学顕微鏡での観察・分析のをしたところ、ボンディング材が重合不完全となっていることが明らかとなった。その原因としてはXeエキシマランプ照射により発生するオゾンの重合阻害作用が考えられため、Xeエキシマランプ照射野をポンプで吸引し、陰圧下でXeエキシマランプ象牙質表面処理を行った後にボンディング処理を行ったところ、応力ひずみ曲線上に観察される塑性変形領域は減少し、システム改良の糸口が見つかった。一方、せん断接着強さは従来のプライマーとボンディング材を用いてえら得たせん断接着強さの64.1%にとどまり、接着強さを低減させている要因がすべては解決されていないことが考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までのところ、Xeエキシマランプによる表面処理が象牙質とコンポジットレジンの接着処理に使用可能であることが確認されている。しかし、得られたせん断接着強さは従来法の64%程度であるため、接着システムとして臨床に用いるにはさらなる改良が必要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
予備実験としてXeエキシマランプ照射野をポンプで陰圧にしながら象牙質表面処理を行いボンディング処理を行った処理面に、さらに未重合のレジンモノマーを除去する処理を行ったところ、得られたせん断接着強さは、従来法に匹敵する大きさとなった。そこで、現在、臨床の接着手技として応用できるような未重合レジンモノマーの除去法の検討を行っている。さらに、重合阻害の原因と考えられるオゾンが象牙細管内に残留することで、重合阻害を生じている可能性も考えられるため、多孔質の物質表面に吸着したオゾンの除去方法について広く情報収集を行っている。
|
Causes of Carryover |
せん断接着試験の結果、十分な接着強さが得られなかったため、研究計画を変更し、本年度は実験条件の検討のための情報収集と再実験を中心に行った。その結果、研究発表に至らず、次年度使用額が生じた。
|
Research Products
(1 results)