2016 Fiscal Year Annual Research Report
Role of formation of necrotic layer by the pulp capping agents pasting
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26462890
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
宮下 桂子 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50636264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 雅行 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (20253891)
田畑 純 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (20243248)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 象牙芽細胞 / アラーミン |
Outline of Annual Research Achievements |
水酸化カルシウムを歯髄組織に直接貼付すると、水酸化カルシウム直下に壊死層が認められ、後に壊死層直下に「デンティンブリッジ」と呼ばれる硬組織が生じるが、その形成メカニズムは不明な点が多い。一方、近年、組織内においては、壊死細胞から周辺細胞に向けて放出される「アラーミン」が自然免疫誘導や組織修復に関わることが明らかになってきている。 本研究はアラーミンが硬組織形成にどのように関わるかを、生体を模した 3D 培養にて明らかにすることを最終目的としている。 3D 培養については、マウス象牙芽細胞を用いた実験で、コラーゲンゲル中にて象牙芽細胞に特徴的な突起様の形態とマーカー遺伝子の発現を確認した。 次にマウス象牙芽細胞にアラーミンの一つである HMGB-1 を直接投与したところ、石灰化は確認されなかったことから、象牙芽細胞に分化することが報告されているヒト骨髄由来の間葉系幹細胞に HMGB-1 を投与し、石灰化の有無を調べた。石灰化は確認できなかったが、HMGB-1 投与により細胞増殖を示唆する結果が得られた。 そこで、歯髄の中にアラーミンに反応して象牙芽細胞の石灰化誘導因子を出す細胞が存在する可能性を考え、ラットの歯髄細胞を初代培養し、この培地に HMGB-1 を投与して一定日数をおいた後、培養上清を回収した。この培養上清を象牙芽細胞系統の株細胞の培地に添加したところ、石灰化誘導がみられた。 以上の結果より、アラーミンは象牙芽細胞に対して石灰化を直接的に誘導することはできないものの、歯髄の中にアラーミンに反応して象牙芽細胞の石灰化誘導因子を出す細胞が存在する可能性が示唆された。
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