2014 Fiscal Year Research-status Report
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26462961
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
亀水 秀男 朝日大学, 歯学部, 教授 (00152877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 正人 朝日大学, 歯学部, 教授 (10157042)
駒田 裕子 朝日大学, 歯学部, 助教 (10631351)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯の漂白 / 光触媒 / ランタンオキシアパタイト / ホワイトニング / 漂白剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的:新規漂白剤の開発とその漂白効果について検討した。 研究実施計画:初年度は、まず主剤として過酸化水素水、助剤として新規アパタイト光触媒を使用した新規漂白剤を試作し、その漂白効果について検討する。なお、漂白効果の評価についてはアパタイト焼結体の着色モデルを用いた方法で行った。 実験内容:1.新規アパタイト光触媒の合成:アパタイト光触媒にはランタンオキシアパタイトを使用し、乾式法で合成した。2.合成物のキャラクタリゼーション:可視光応答性は、紫外可視近赤外分光光度計の拡散反射スペクトルにより検討した。光触媒能は白色光照射時のメチレンブルー水溶液の色素分解能で検討した。3.新規ホワイトニング剤の試作:主剤として過酸化水素水、助剤として合成アパタイト光触媒を使用し、50wt%混合して使用した。4.着色モデルに対する漂白効果:着色モデルは、市販のHAP焼結体を着色したものを作製して使用した。漂白方法は着色モデルに漂白剤を塗布し、ハロゲンランプによる光照射によって処理した。測色と漂白効果の評価について、測色にはL*a*b*表色系を使用し、色調変化には簡易測色計により測定した。 研究の成果:①過酸化水素水のすべての濃度で、初回の漂白処理によるL*値, b*値の増加が大きかった。②過酸化水素水のすべての濃度で、漂白処理回数が多いほど L*値、 b*値は増加した。③漂白処理回数が多いほど、色差の値は増加し、漂白効果が高くなった。④過酸化水素水の濃度が高いほど、色差の値の増加傾向がみられ、漂白効果が高いことがわかった。⑤低濃度(5%)の過酸化水素水でも、3回の漂白処理により、着色前のL*値, b*値に戻った。⑥新規漂白剤は,光触媒を使用した市販の漂白剤より、漂白効果が高く、低濃度の過酸化水素水でも良好な結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
合成した新規アパタイト光触媒の光触媒能は、色素分解能から検討した結果、十分なものであった。また、それを使用した新規漂白剤の漂白効果も予想通り、満足する結果が得られた。今年度は、研究実施計画にしたがって、実験を進ることができた。研究計画の進行度、研究結果を総合的に判断して、順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は、研究計画通り順調に進み、優れた研究結果も伴った。したがって次年度は、当初予定している研究計画通り、推進して行くつもりである。今後は、アパタイト光触媒を利用した新規漂白剤について、さらにヒトの歯に適用して、その漂白効果について検討する。
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Causes of Carryover |
前年度では、物品費において、既存の材料や試薬(消耗品)を使用したことから、購入予定のものを購入せずに一部実験を行った。そのため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度購入予定であった材料や試薬は、次年度でも頻繁に使用するため、その物品費(材料費)に充填する予定である。
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Research Products
(1 results)