2015 Fiscal Year Research-status Report
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26462961
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
亀水 秀男 朝日大学, 歯学部, 教授 (00152877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 正人 朝日大学, 歯学部, 教授 (10157042)
駒田 裕子 朝日大学, 歯学部, 助教 (10631351)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯の漂白 / 光触媒 / ランタンオキシアパタイト / ホワイトニング / 漂白剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的:新規漂白剤のヒト抜去歯に対する漂白効果 研究実施計画:初年度は着色モデルを使って、新規漂白剤の漂白効果について検討し、十分な成果が得られた。次年度はヒト抜去歯(エナメル質と象牙質)に対しての漂白効果について検討した。 研究の成果:5%、15%、25%濃度の過酸化水素水の場合,漂白前のエナメル質のL*値に対して,漂白処理前と処理後との間で,それぞれ有意差がみられ,値は増加した.エナメル質のb*値についても漂白処理前と処理後との間で,それぞれ有意差がみられ,各濃度において,漂白処理回数が多くなるほど,b*値は減少傾向を示した.これにより黄色の色合いが脱色されることがわかった.漂白処理前の象牙質のL*値に対して,漂白前後でそれぞれ有意差がみられたが,漂白処理の回数間では有意差はみられなかった.漂白処理回数が多くなるほど,エナメル質と同様に象牙質のL*値は増加傾向を示した.象牙質のb*値は,漂白処理初回は,エナメル質の場合と比べると急激な値の低下がみられた.また,エナメル質同様に黄色の色合いが脱色されることもわかった.エナメル質の漂白処理後の色差は,5%濃度の場合,1~3回処理で3.2~6.5,15%濃度の場合4.4~7.3,25%濃度の場合4.9~8.1となった.濃度が高くなるほど,色差の平均値は増加したが,統計的には各濃度間において有意差はみられなかった.一方,象牙質の漂白処理後の色差は,5%濃度の場合,1~3回処理で6.7~9.8,15%濃度の場合8.2~12.3,25%濃度の場合8.2~12.2となった.エナメル質の場合と同様に過酸化水素水の濃度が高くなるほど,色差の平均値は増加し,各濃度間では有意差はみられた.また,エナメル質の場合と比べると色差の値は大きくなった.象牙質への漂白処理は,エナメル質に比較して漂白効果が大きいことがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトエナメル質に新規漂白剤を適用した結果、着色モデルと同様に、十分に漂白効果があることが年度内で示された。当初の実験計画にしたがって行われ、研究計画の進行度、研究結果等を総合的に判断して、順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、計画通り順調に進み、研究成果も十分であった。したがって、最終年度は、漂白処理にともなう表面性状の変化とまとめを行う予定である。
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Causes of Carryover |
使用する高温電気炉と色差計は、必要とする実験条件とメーカーの旧仕様が合致しないため、今回は購入を遅らせた。必要な装置については他研究室で借りた。このことから次年度で差額が生じたが、実験を行うためには常時使用できることが必要である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に購入しなかった装置については、実験条件に合致する新仕様になるため購入する予定である。
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