2015 Fiscal Year Research-status Report
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26462979
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
池田 貴之 日本大学, 歯学部, 助教 (30366603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祇園白 信仁 日本大学, 歯学部, 教授 (90153262)
本田 雅規 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (70361623)
成田 達哉 日本大学, 歯学部, 助教 (50508629)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 三次元配向性コラーゲン / 骨造成 / コラーゲンマテリアル / 垂直的骨造成 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.移植用3次元配向性コラーゲンマテリアルの作成 前年度に規定した3次元配向性コラーゲンマテリアル空孔率0.86(配向性コラーゲンストリングス20本配列、ストリングス間285μ)をベースに埋入用3次元配向性コラーゲンマテリアルを作成した。直径2.7mm、長さ3mmの円柱状とした。円柱状に成型する過程において積層する配向性コラーゲンシート間の接着が強いものと弱いものの二種を作成した。接着強度の強い3次元配向性コラーゲンマテリアルは取り扱いが容易だが、血液等の吸収による膨張に時間がかかり、接着強度の弱い3次元配向性コラーゲンマテリアルは容易に形体が変形してしまうため取り扱いが難しいが、血液等の吸収による膨張が速やかである特性をもっている。 2.3次元配向性コラーゲンマテリアルの埋入 8週齢雄性SDラットの頭蓋部に骨欠損を作成し一方に3次元配向性コラーゲンマテリアル他方にコントロールとして3次元配向性コラーゲンマテリアルと同サイズのテルプラグを埋入した。頭蓋部の出血量が少なく3次元配向性コラーゲンマテリアルの膨張が少なかったため、骨欠損部への3次元配向性コラーゲンマテリアルの固定が不安定となり、埋入後CTにて確認したところCT撮影期間に全ての3次元配向性コラーゲンマテリアルが脱落した。そこで8週齢雄性SDラットの大腿部に骨欠損を作成し3次元配向性コラーゲンマテリアルを埋入しCTにて確認したところ、埋入後3週目に既存骨よりも高い位置に類骨と思われる硬組織が3次元配向性コラーゲンマテリアル群で観察された。コントロールのテルプラグ群では骨の治癒は認めたものの類骨上の硬組織は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3次元配向性コラーゲンマテリアルの埋入部位において既存骨よりも高い位置に類骨状の硬組織を認めたことは、3次元配向性コラーゲンマテリアルによる垂直的骨造成の可能性を示している。埋入実験において硬組織を認めたことは本年度の研究予定がおおむね順調に推移しているものと考える。一方で、3次元配向性コラーゲンマテリアルの骨欠損部への固定が血液等による膨潤に左右され、膨潤後では埋入時に3次元配向性コラーゲンマテリアルが破損してしまうこと、膨潤が容易な低強度の3次元配向性コラーゲンマテリアルでは埋入時に破損してしまうことなど、3次元配向性コラーゲンマテリアルの操作性に問題があることが明らかとなった。また、コントロール群では骨の治癒が順調であるが、類骨状の硬組織が観察される部位ではコントロールと比較し治癒が遅れているように観察されることからより速い垂直的骨造成がかのうとなる3次元配向性コラーゲンマテリアルを作成する必要があると考える。 次年度は類骨状の骨が骨へと進展していくことの確認および、より操作性が向上し治癒期間を短縮させる3次元配向性コラーゲンマテリアルの作成を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、3次元配向性コラーゲンマテリアル埋入において類骨状の硬組織が既存骨よりも高い位置に認められることが確認されたが、完全な骨は確認されていない。今後はCT撮影を行う期間を延長し、骨造成の可否を確認するとともに、より操作性が向上し治癒期間を短縮させる3次元配向性コラーゲンマテリアルの作成を行っていく。
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Causes of Carryover |
埋入用三次元配向性コラーゲンマテリアル作製に日数を要するため、期間内での作製可能個数に限度があること、三次元配向性コラーゲンマテリアル作製額が当初よりも安価であったため予算額に至らなかったことにより、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
埋入用三次元配向性コラーゲンマテリアルは作製時に接着強度が強いものと弱いものがあり、完成後の特性が異なる。強度の弱いものが埋入後の安定に適しているが、操作が難しくなる。そこで、操作性を向上させた強度の三次元配向性コラーゲンマテリアルの作製購入を予定している。
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Research Products
(1 results)