2015 Fiscal Year Research-status Report
組織再生起点となる血管形成におけるCCN3の役割解明と創薬基盤の構築
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26463017
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
南里 篤太郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (50529807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 朗 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, その他 (00142430)
朝比奈 泉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (30221039)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、組織再生時に調節因子の供給路となる血管新生におけるCCN3の機能を解明する。特に血管新生で着目されているCD34陽性細胞やVEGFとCCN3との関係に焦点を当て、in vivo、in vitroで機能解析を行う。得られたCCN3の血管新生における知見を基に、悪性腫瘍や糖尿病など血管新生と密接に関与している病態に対する新規治療法の確立や創薬開発への足がかりを築くことを最終的な目標とした。近年、骨髄由来細胞(BMDC)による細胞治療の有効性が血管や心筋、肝臓といった組織の再生や脳梗塞治療において示されている。そこで、放射線照射後の重篤な傷害の一つである唾液腺障害モデルをマウスに作製し、BMDC投与群での顕著な治療効果、特に血管新生が促進されることを証明した(I T, Sumita Y, Minamizato T, et al. Bone Marrow-derived Cell Therapy for Oral Mucosa Repair after Irradiation, J Dent Res, 30; 93(8):813-820, 2014)。現在、そのモデルにおいてのCCN3の局在ならびにBMDCとの相関関係を検索している。また、自家脱灰歯移植によるマウス骨再生モデルも確立したため(Koga T, Minamizato T, Kawai Y, et al. Bone Regeneration Using Dentin Matrix Depends on the Degree of Demineralization and Particle Size. PLoS One. 2016 Jan 21;11(1):e0147235)、このモデルにおいてもCCN3の局在を検索し、血管新生部位におけるCCN3の役割を模索しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BMDCや骨再生、血管新生に関する研究成果が認められ<(I T, Sumita Y, Minamizato T, et al. Bone Marrow-derived Cell Therapy for Oral Mucosa Repair after Irradiation, J Dent Res, 30; 93(8):813-820, 2014)、(Koga T, Minamizato T, Kawai Y, et al. Bone Regeneration Using Dentin Matrix Depends on the Degree of Demineralization and Particle Size. PLoS One. 2016 Jan 21;11(1):e0147235)>、現在、これらのモデルでのCCN3との相関関係がin vivoならびにin vitroの実験において証明されつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者らは既にCCN3が骨再生過程を制御、調節する分子メカニズムを詳細に解析したており、今回、組織再生の開始起点である血管新生とCCN3の関係を明らかにすることで、血管新生と密接に関係がある悪性腫瘍や糖尿病に対する創薬の開発に向けた足掛かりを可及的速やかに構築する。
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Causes of Carryover |
骨再生モデルにおけるCCN3局在の検索のため、血管新生部位における多重染色による免疫組織学的観察を予定していたが、移植モデルの試料作製に時間がかかっているため、予定していた抗体の購入を延期した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度中に当初の予定どおり、抗体を購入した上で、染色を行う予定である。
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