2014 Fiscal Year Research-status Report
多施設共同前向きランダム化比較試験による放射線性口腔粘膜炎の重症化抑制効果の検討
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26463018
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
梅田 正博 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (60301280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 浩 信州大学, 医学部, 教授 (10273103)
大倉 正也 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (10281130)
川下 由美子 長崎大学, 大学病院, 助教 (10304958)
古森 孝英 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50251294)
太田 嘉英 東海大学, 医学部, 教授 (60233152)
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 口腔がん / 放射線治療 / 口腔粘膜炎 / 口腔ケア / ランダム化 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔がんで口腔が照射野に含まれる放射線治療を受けると、口腔粘膜炎がほぼ100%に発生する。その中でも経口摂食が不可能になるグレード3の口腔粘膜炎は半数以上に生じ、放射線治療を中断せざるをえない場合も少なくないのが現状であった。口腔管理により放射線治療時の口腔粘膜炎の重症化を予防しようとする試みはいくつかあるが、これまでエビデンスレベルの高い研究はなかった。本研究では口腔管理によりグレード3の口腔粘膜炎の発症頻度を抑制することができるかどうかについて多施設共同前向き研究により検証するものである。 参加各施設から登録があると、通常の口腔管理を行う対照群と、それに加えて塩酸ピロカルピン投与、スペーサーの作製、ステロイド軟膏+オリーブ油の塗布を行った介入群とにランダム割付を行う。グレード3の口腔粘膜炎の発症率をプライマリーエンドポイントとし、放射線治療の完遂率やグレード3の口内炎を発症する期間、カンジダ症の発症頻度などについても検討を行っている。 3年間、120例を目標に研究を開始したが、初年度で約50例の登録があり、ほぼ予定通りの進捗状況である。しかし最近では分子標的薬(セツキシマブ)が併用されるケースも増えている。セツキシマブ併用放射線治療は口腔管理介入を行ってもほぼ全例グレード3の口腔粘膜炎が発症する。一方、放射線治療単独例ではまだ症例数は少なく統計学的な解析は不可能であるが、介入群で口腔粘膜炎の増悪が抑制されている傾向がみられた。このようにさまざまな患者背景があることから、必要に応じて目標症例数を増やすことも検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例登録は当初の予定通り進んでおり、順調である。 まだ症例数が少なく統計処理は困難であるが、介入群のほうが対照群と比較して口腔粘膜炎の重症化が抑制されていることが示唆されている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度中に中間解析を行い、学会発表をする予定である。 中間解析の結果により、目標症例数の増加や登録期間の延長を行う可能性もある。
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Causes of Carryover |
予定されていた研究打ち合わせ会が27年度に延期になったため次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
延期となった研究打ち合わせ会に加えて、27年度に予定された費用として使用する。
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