2016 Fiscal Year Research-status Report
顎顔面軟骨再生における頬脂肪体由来脱分化脂肪細胞のトランスレーショナル研究
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26463033
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
窪 寛仁 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70388362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (20228430)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脱分化脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
脱分化脂肪細胞(dedifferentiated fat cells:DFAT cells)は低侵襲に獲得可能な細胞集団であり、また多能性を有することから再生医療用ドナー細胞として有用である。またDFAT cellsは非常に純度が高いことから、含まれる未分化な細胞の割合が高く、様々な組織の細胞へ分化する能力が高い可能性が示唆されている。顎口腔領域を専門とする歯科医師の特性を活かすため、頬脂肪体からDFAT cellsを獲得し、ドナー細胞として用いる。さらに、力学的ならびに付形性に優れたオリジナルな三次元足場材料を用いて培養軟骨を作製する。 2種類の培養環境下において骨形成タンパク質(Bone morphogenetic protein:BMP)がDFAT細胞の軟骨分化に対する影響を比較検討した。各BMPを含有する軟骨誘導培地で遺伝子発現挙動を比較した結果、BMP-4(100 ng/mL)含有軟骨誘導培地が最も早く、軟骨分化マーカーであるSOX9、SOX6、アグリカン、Ⅱ型コラーゲンの発現を増強した。14日間長期培養した場合の単層培養法とペレット培養法の両培養法のいずれの培養環境下においても、BMP-4含有軟骨誘導培地で培養された細胞は、コントロール培地で培養された細胞よりもアグリカン、Ⅱ型コラーゲンを含む複数の軟骨分化マーカーの発現を増強させた。また、Ⅱ型コラーゲン、アグリカンの免疫染色においても、コントロール培地に比べ、BMP4含有軟骨誘導培地で培養された細胞により強い染色像が認められ、タンパク質の分泌促進が確認されている。SOX5の発現は、単層培養下ではコントロール培地で刺激された細胞に比べ低下し、一方、ペレット培養下では上昇が認められるなど相反する結果となった。これらの結果より、BMP-4はDFAT細胞の軟骨分化を調節する因子であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大型動物の実験がスタートしていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
イヌの脱分化脂肪細胞を樹立し軟骨細胞への分化を行う。
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Causes of Carryover |
ビーグル犬の予算を計上するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ビーグル犬の鼠蹊部から皮下脂肪を採取し、天井培養法を用いてイヌ脱分化脂肪細胞を獲得する。イヌ脱分化脂肪細胞由来培養軟骨を作製する。
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