2015 Fiscal Year Research-status Report
In vitro ヒト顎関節滑膜炎モデルを使用した顎関節症治療薬評価法の開発
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26463034
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
覚道 健治 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30131379)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 顎関節 / 滑膜細胞 / 多血小板血漿 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト滑膜細胞の増殖に対する 多血小板血漿(PRP)の影響について検討した。 研究を行うために検体を採取することについてインフォームドコンセントを得た患者(21歳 男性)から、膝関節内視鏡手術の際にヒト滑膜組織を採取し、分離精製した滑膜細胞を37℃, 5% CO2条件下で10% FBS, 5% PRP, 5%活性化多血小板血漿(aPRP)を含んだ培地で培養し、滑膜細胞の増殖に対するそれぞれの影響について比較検討した。またaPRPについては1%, 5%, 10%および 20%の濃度における影響を比較した。さらに培養上清中のInterleukins (IL-1β, IL-6, IL-8) の発現タンパクについても検討した。評価方法として,それぞれの培地における培養5日目の細胞数をWST assayを使用し測定、また顕微鏡にて観察した。培養上清中の発現タンパクの濃度をhomogeneous time-resolved fluorescence を使用し測定した。 10% FBS, 5% PRPと比較して、5% aPRPにおいて有意に滑膜細胞の増殖を認めた。また、3日目から5%, 10%, 20% aPRPにおいて急激に増殖し、培養5日目において5%, 10%, 20% aPRP群において、10% FBS群および1% PRP群に対してそれぞれ有意差を認めた。顕微鏡像においても、濃度依存的に細胞が増殖していることが確認できた。培養上清中のInterleukinsの濃度は、IL-1βではそれぞれの群の間で有意差を認めなかったが、IL-6, IL-8では濃度依存的にタンパクの産生量が増加し、有意差を認めた。またIL-6および IL-8の細胞数あたりの相対値では5% aPRPが最も低かった。 PRPは滑膜細胞を増殖させることが認められた。更にaPRPは濃度依存的に滑膜細胞を増殖させることが判明した。このことにより滑膜の再生においてPRPは有効であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究についてはおおむね順調に経過し,まとめを2016年9月に英国ロンドンで開催される第23回欧州頭蓋顎顔面外科学会学術大会で発表予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
多血小板血漿をヒト滑膜細胞に投与した時の発現タンパクについてはさらに研究を進める予定である.
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Causes of Carryover |
2015年に計上した海外での国際学会の発表が2016年9月開催の第23回欧州頭蓋顎顔面外科学会で発表することとなり,旅費および学会登録費を2016年度に繰り延べせざるをえなくなったことが,次年度使用額が生じた理由です
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
第23回欧州頭蓋顎顔面外科学会学術大会で研究成果を発表予定のため,旅費および登録費を支出する予定です.
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Research Products
(3 results)