2014 Fiscal Year Research-status Report
新規EMT関連遺伝子MTDHが誘導する口腔扁平上皮癌の浸潤機構の解析
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26463043
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小野 重弘 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (70379882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武知 正晃 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 准教授 (00304535)
飛梅 圭 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 准教授 (40350037)
重石 英生 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (90397943)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 浸潤 / 転移 / 上皮間葉移行 / 癌幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは,これまでにEMT型癌細胞と非EMT型癌細胞におけるmicroRNAの発現プロファイル解析を行った.そこで,EMTに深くかかわっていると考えられるmicroRNA,miR320ファミリーを見出した.さらにmiR320ファミリーの標的遺伝子をターゲットスキャンで検索したところ,Metadherin(MTDH)を見出した.口腔扁平上皮癌において,MTDHがEMTに関与していることを報告している論文は国内外で皆無である.また,一方で他臓器癌ではあるが,MTDHが一部の癌細胞を癌幹細胞様形質へと誘導することが報告されている.高度浸潤・転移能を獲得したEMT型癌細胞は,癌幹細胞と非常に近似した特徴を持つと考えられている. 以上のことを踏まえ,われわれが見出したMTDH遺伝子がいかにEMTや癌幹細胞様形質の獲得に関与するかを詳細に解明することを今回の研究の主目的とする. MTDHが関与していると考えられる口腔扁平上皮癌の高度浸潤能獲得におよぼすEMTの機構の詳細を明らかにする.これまでにわれわれが研究し,解明してきた細胞運動能,基質分解酵素の発現上昇,細胞接着因子の発現低下等をさらに詳細に検討する. われわれが見出したEMT関連遺伝子MTDHmRNAの発現とEMT型/非EMT型口腔扁平上皮癌細胞の相関関係を確認する.さらにその発現細胞からMTDH mRNAを抽出し全長cDNAをRT-PCRで増幅しシークエンスを確認後,発現ベクターに組み込む.これをMTDHの発現が消失している細胞にリポフェクチン法によって遺伝子導入する.G418などの選択マーカーを培地に添加し,耐性細胞をクローニングリングによって分離し,それぞれの細胞における導入遺伝子産物の発現を,抗体を用いたウエスタンブロッティング法で確認する. 現在までに,MTDH発現の有無とEMT型/非EMT型口腔扁平上皮癌細胞との相関はmRNAレベルで確認した.さらに過剰発現細胞株あるいはノックダウン細胞株作製を鋭意行っているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに,MTDH発現の有無とEMT型/非EMT型口腔扁平上皮癌細胞との相関はmRNAレベルで確認した.さらに過剰発現細胞株あるいはノックダウン細胞株作製を鋭意行っているところである.
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Strategy for Future Research Activity |
MTDH過剰発現細胞株およびノックダウン細胞株を用いて,上皮間葉移行と癌幹細胞との関連を解明する予定である.
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Causes of Carryover |
使用している細胞株のバイアビリティが不十分であったため,良好な細胞導入効率が得られないということ事象が見受けられたが,培養環境の確認と培養液,血清の再確認により現在までに改善された.実験が順調に進行したと仮定した場合,本来であれば細胞培養関連の消耗品として21549円を使用予定であったが,実験の進行がすこし滞ったため,次年度使用額として生じた.現在では,概ね順調に進展している.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額に関しては,細胞培養関連用品の購入に使用予定である.
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