2015 Fiscal Year Research-status Report
牽引力による縫合間葉系幹細胞分化のCTGFとOdz3による分子制御機構の解明
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26463084
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹下 信郎 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50431515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千田 透子 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (40647947)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 縫合 / メカニカルストレス / 血管形成 / 骨形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
矯正歯科治療では、顎顔面領域の縫合に牽引力を負荷することにより、成長期患者における骨格的不調和を改善する。牽引力が負荷された縫合の生物反応として骨形成が促されるが、その制御機構の詳細は不明である。本研究では、牽引力による縫合の生物反応メカニズムの解明を目指し、牽引力による縫合の反応である血管および骨形成における、縫合間葉系幹細胞動態とその制御機構の解析を行う。マウスの頭蓋縫合に牽引力を負荷してマイクロCT解析および組織学的解析を行った結果、7日目まで縫合の持続的な開大が認められた後、新生骨の形成とそれにともなう縫合領域の狭小が進行し、28日目には拡大前の生理的な縫合組織構造が回復した。これらの結果は、本実験で用いた動物モデルにおける牽引力による縫合性骨形成の亢進を示す。また、牽引力により誘導される縫合性骨形成過程における経時的な血管形成を解析した。その結果、血管内皮細胞マーカーであるvon Willebrand factorの発現は、牽引力負荷後1日目に顕著な増加が認められたが、その後生理的な発現レベルまで減少した。さらに、縫合間葉系幹細胞が発現することが知られるマーカー因子のマウス矢状縫合における発現を免疫蛍光により解析した結果、縫合の広い範囲でその発現が認められ、縫合における間葉系幹細胞の局在パターンが示された。それらの縫合間葉系幹細胞の機能を解析するために、マウス頭蓋縫合からの細胞の単離および培養法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
牽引力に対するマウス頭蓋縫合の反応を明らかにし、また縫合細胞の樹立および培養系を確立できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
縫合において牽引力により誘導される血管および骨形成の分子制御メカニズムの解析をさらに進めるとともに、縫合間葉系幹細胞動態の解析を行う。
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Research Products
(4 results)