2015 Fiscal Year Research-status Report
非咬合モデルマウス咀嚼筋の生後発達過程におけるエピジェネティクス制御機能の解明
Project/Area Number |
26463127
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
成山 明具美 鶴見大学, 歯学部, 助教 (90440304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 準 鶴見大学, 歯学部, 講師 (00282765)
福井 只美 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (10267544)
朝田 芳信 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20184145)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 非咬合モデルマウス / 咀嚼筋 / 生後発達 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
microRNAは、20から25塩基の一本鎖DNAで、遺伝子の発現を調節する機能を有する非翻訳機能性RNAの一種で、microRNAは、発生や細胞増殖、分化、アポトーシス、代謝などの広範な生物学的プロセスに重要な役割を担っている。 本年度の研究において、咬筋および腓腹筋において、miR-1の発現量が生後1~12週齢にかけて経時的に増加したのに対し、HDAC4の発現量は生後2~12週齢にかけて減少した。さらに、咬筋ではMEF2、MyoD、Myogenin、MCK、腓腹筋ではmyogenic regulatory factor 4 (MRF4)、MCKの発現量が生後2~12週齢にかけて増加した。しかしながら、それらの発現量の変化率は、腓腹筋より咬筋で有意に大きかった。一方、miR-133aの発現量は、生後1~12週齢にかけて、咬筋では変化しなかったのに対し、腓腹筋では有意に増加した。また、SRF、Cyclin D1の発現量は、生後2~12週齢にかけて、咬筋では有意に変化しなかったが、腓腹筋では、それぞれ有意な減少と増加が観察された。以上の結果は、生後発達過程において、咬筋では筋分化誘発シグナル経路(miR-1/HDA4/MEF2/MyoD family経路)が優位にはたらくのに対し、腓腹筋では筋細胞増殖誘発シグナル経路(miR-133a/SRF/CyclinD1経路)が優位に活性化されることを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
wild type マウスにおけるmicroRNAの咬筋におけるシグナル経路についての実験はすでに終えて、咬筋、腓腹筋においてそれぞれ有意にはたらく、筋分化誘発シグナル経路、筋細胞増殖誘発シグナル経路についての結果を導いた。現在は非咬合モデルマウスについての分析を進めており、非咬合モデルマウスについての比較検討に着手している。現時点において、本研究は概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、wild マウス、非咬合モデルマウスであるmi/miマウス咬筋の生後発達を調整している遺伝子プロモーター領域におけるメチル化の程度をそれぞれ比較することにより、メチル化の関与を明らかにすること、またmi/miマウスがmitfの突然変異を有していることから、mitfの咀嚼筋の形成過程における関与についても明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
本研究に使用する予定のmi/miマウスは一般的なマウスに比べると繁殖が難しく、本年度中に採取できたサンプル数が予定していた数に満たなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
mi/miマウスのサンプル採取後、メチル化DNA領域濃縮シークエンス解析、バイサルファイトシークエンス法に使用する試薬や器具、mitfの生理的機能実験に関する実験試薬や器具を購入する予定である。
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Research Products
(4 results)