2015 Fiscal Year Research-status Report
IL-1ファミリーに属する新規サイトカインの歯周病態への関与とその治療応用
Project/Area Number |
26463150
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
大山 秀樹 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90280685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中正 恵二 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00217712)
山根木 康嗣 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00434944)
山田 直子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10319858)
久保 秀司 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10441320)
小越 菜保子 兵庫医科大学, 医学部, 研究生(研究員) (60509115)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯周病 / IL-36 |
Outline of Annual Research Achievements |
IL-1ファミリーに属する新規サイトカイン群は,生体防御における自然免疫系のみならず,ヘルパーT細胞応答を中心とした獲得免疫系の制御にも深くかかわる。しかし,歯周病においては,病巣局所におけるこれらの発現様態をはじめ病態への関わりについては何もわかっていない。本年度は歯周組織においてIL-1ファミリーに属する新規サイトカイン群のうち,IL-36α(IL-1F6), IL-36β(IL-1F8), IL-36γ(IL-1F9), およびIL-36Ra(IL-1F5)の発現様態を調べた。 兵庫医科大学倫理審査委員会の承認を得た計画に従い,進行度の異なる歯周病患者の歯周外科手術時に得られた歯肉をサンプルとして採取した。採取した12の歯肉サンプルについて,IL-36α, IL-36β, IL-36γ, およびIL-36Ra の各遺伝子の mRNA発現レベルをリアルタイム RT-PCR 法を用いて定量解析した。その結果,多くの歯周病の病巣部において各遺伝子の発現が確認された。このことは,IL-36が歯周病の病態に関与する可能性を示唆しており,今後さらにサンプル数を増やすとともに,他のサイトカインを含めた詳細な検討を行う必要がある。 さらに,歯肉サンプルにおけるこれらのサイトカイン発現を各特異抗体を用いて免疫組織化学的に解析した。その結果,歯肉上皮および一部の炎症性細胞においてIL-36α, IL-36β, IL-36γ, およびIL-36Ra の発現がみられた。今後さらに詳細な検討を行うことで,産生細胞の特定を行ない,各サイトカインの局在との相関を組織学的に検索する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯周組織における新規サイトカイン群の発現様態を調べることができたことから,研究の進捗状況はおおむね順調といえる。しかしながら,免疫組織化学染色の実験系の確立に時間を要したため,被験サンプル数がまだ十分ではない。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに被験サンプルを増やし,歯周病患者の病巣局所における IL-1 ファミリーおよびその関連分子の発現プロファイルを調べることによって,発現部位および様式について明らかにする。
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Causes of Carryover |
実験系の確立に時間を要したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に消耗品として使用予定(抗体,生化学的実験試薬,プラスチック器具類,組織標本作製材料,試薬など)
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Research Products
(2 results)