2014 Fiscal Year Research-status Report
回復期病院での口腔ケアにおける多職種協働の実効性の検討
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26463162
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中江 弘美 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00709511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野出 大輔 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70189801)
吉岡 昌美 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90243708)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 回復期病院 / 口腔ケア / 多職種協働 / 歯科専門職不在 / 支援プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
徳島県内の歯科専門職不在の回復期病院の協力を得て,歯科専門職による口腔ケア支援が必要であると依頼があった病院に,多職種と協働して行う口腔ケア支援プログラム(院内実践コース)の介入を行った。 介入方法は,3ヵ月間2週に1回歯科衛生士によるベッドサイドでの専門的口腔ケアを実施し,担当看護師等による日常の口腔清掃への助言・指導を行うものである。これらの口腔ケア支援プログラムの効果を全身・口腔内の状態の評価に加え,舌苔検体を用いた細菌学的分析を行い,健常者との比較からその特徴を評価した。 今年度は,脳血管障害患者(患者群)10名と歯数・性別・年齢をマッチングさせた歯科外来患者(対照群)10名を対象に、舌苔中の総菌数及びP. gingivalisやF. nucleatum等の歯周病関連細菌数をリアルタイムPCR法により測定し、比較検討した。その結果,患者群と対照群において総細菌数に有意な差は認められなかった。しかし、患者群のF. n.構成比率は対照群と比べて有意に高いことが明らかとなった。P.g.やF.n.等の歯周病関連細菌は誤嚥性肺炎の原因菌として注目されており、これらの菌を減少させて細菌叢をよりリスクの低い状態にすることは効果的な対策と考えられた。 なお,本年度予定していた回復期病院を対象とした口腔ケアの推進についての「歯科医療連携の実態調査」については,現在調査は終了し,徳島県内の病院職員317名から回答を得た。これらの結果については,現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた回復期病院を対象とした口腔ケア支援プログラムから幾つかの知見を得た。また,口腔ケア推進に関する実態調査においても,調査は終了し現在分析中であるため,おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に引き続き,歯科専門職による口腔ケア支援プログラムの介入,口腔内アセスメントおよび各検査,舌苔の取得・分析を継続して分析する。また,口腔ケア推進についての「医科歯科連携の実態調査」を通じて,徳島県下の回復期病院の歯科医療サービスの現状について学会において報告する予定である。
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Causes of Carryover |
歯科を併設しない回復期病院より、歯科専門職による口腔ケアの支援の依頼があったため、3か月間の院内での口腔ケア実践コースを実施した。そのため、当初予定していた実態調査の郵送が遅延となり人件費を次年度に使用することとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実態調査の結果の入力および分析において、人件費を使用する予定である。
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Research Products
(4 results)