2014 Fiscal Year Research-status Report
歯学教育における説明・指導場面の医療コミュニケーション教育プログラムの開発
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26463199
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
鈴木 一吉 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80281468)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯学教育学 / 医療コミュニケーション教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、従来の医療コミュニケーション研究手法に加え、新たに患者の感情面の表現に着目してコミュニケーション解析を行い、その結果に基づいて、動画教材や指導要領の作成などを行い、教員のファシリテーションを高度な教育技術を基盤とする教育プログラムを開発することが目的である。本年度の研究成果は以下の通りである。 (1)教育プログラム作成のための準備として、現在研究者が担当している歯学部5年生臨床実習Ⅰにおける医療コミュニケーション授業の分析を行った。授業分析は模擬患者(SP)シナリオ作成のために必要となる学習対象者の教育目標を策定するために行った。該当授業の受講学生の受講前と受講後の医療コミュニケーション能力における知識の評価、および、学生からの授業評価のアンケート調査を行い、卒前教育において必要とされる教育目標を具体化した。 (2)授業プログラムにおけるSPシナリオ作成のための情報収集として、一般のSPに対してインタビュー調査を行った。調査では実際の医療現場で患者から求められている医療者のコミュニケーション能力や、コミュニケーションの場で現実に患者が困惑する場面状況などについて抽出を行った。その結果、患者の感情に対する対応はもちろんであるが、患者の解釈モデルに対する医療者の治療方針の違いによるコミュニケーションギャップが良好な医療者-患者関係構築の障害となることが示唆された。 (3)本研究の教育プログラム作成の資料として、研究者が授業で使用している医療コミュニケーションテキストの内容を再調査し、本プログラムの開発に関わる部分の改訂について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の授業分析と評価、および、模擬患者とのインタビュー調査の結果、歯学教育における説明・指導場面の医療コミュニケーション教育プログラムの開発におけるSPシナリオ作成のための題材と、対象学習者における授業プログラムの行動目標が明確化された。また、授業教材、SPシナリオ作成、および、模擬患者演技指導のための基本的資料の収集を行うことができた。これらの結果より、今後の模擬SPシミュレーション授業の脚本および映像制作のための準備が整う状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた結果をもとにSPシナリオの作成を続ける。また、SP演技指導を行いながらSPシナリオのブラッシュアップと動画教材の作成を開始していく。さらに、授業教材の作成も継続し授業プログラムの検討を始める。
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Causes of Carryover |
人件費を計上していたが費用が発生しなかったため次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の人件費として使用を計画している。
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