2014 Fiscal Year Research-status Report
採血および注射に利用しうる静脈と近傍の神経および動脈に関する解剖学的研究
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26463206
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小宮山 政敏 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (70175339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松野 義晴 千葉大学, 予防医学センター, 准教授 (00376378)
藤田 水穂 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (00380717)
田中 裕二 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (40179792)
宮宗 秀伸 千葉大学, 予防医学センター, 特任助教 (80422252)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 皮静脈 / 皮神経 / 静脈穿刺 / 採血 / 注射 / 肘窩 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は5体(男性2体、女性3体)の両側上肢、すなわち10上肢について解剖を行った。 肘窩における皮静脈は橈側皮静脈、尺側皮静脈、肘正中皮静脈であるが、その走行タイプはM型が3例、N型が6例、肘正中皮静脈の存在しない例が1例であった。橈側皮静脈に沿う外側前腕皮神経はHuber線(上腕骨内側上顆と外側上顆を結ぶ仮想線)の上方6.7~49.5 mm(平均29.8 mm)で上腕二頭筋の外側から現れ、橈側皮静脈の深層に沿いながら枝分かれし、肘正中皮静脈の橈側部の深層を通って前腕に至っていた。尺側皮静脈に沿う内側前腕皮神経には掌側枝と尺側枝があり、いずれも径が太く(それぞれ平均1.6 mm、1.7 mm)、掌側枝は尺側皮静脈の深層(橈側面)ないし前面に沿い、尺側枝は尺側皮静脈の後側に沿って下行していた。静脈穿刺を行う肘窩においては、内側前腕皮神経掌側枝から分かれた枝が肘正中皮静脈の尺側部の浅層あるいは深層を通って前腕に向かっていた。 肘窩における皮膚の厚さは0.1~1.3 mm(平均0.69 mm)で、橈側部の方が尺側部よりやや薄い傾向がみられた。また、肘窩における皮下脂肪の厚さは平均3.6 mmであり(皮静脈に血液が貯留していないため生体よりは薄いと思われる)、皮静脈はその中間の層に位置していた。すなわち、皮静脈の表層には平均で厚さ1.73 mmの皮下脂肪が存在していた。 以上のことから、肘窩における静脈穿刺には、肘正中皮静脈の中央でちょうど上腕二頭筋腱膜の表層に位置する部分が適していると考えられた。しかし、上腕二頭筋腱膜の深部には上腕動脈が存在するため、深く穿刺することは避けなければならない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度には10体の解剖を行う予定であったが、実際に解剖できたのは5体であった。研究に提供しうるご遺体が少なかったこともあるが、剖出に要する時間の確保がやや困難であったことも遅れの原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
ご遺体の肢位が理想的ではなくとも研究対象に加え、解剖の例数を目標に近づけるようにする予定である。また、剖出や計測に要する時間については、前年度の轍を踏まぬよう短い空き時間等も利用するなどしっかりと確保して、研究を推進する予定である。
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