2015 Fiscal Year Research-status Report
皮膚洗浄法による温熱刺激・機械的刺激・化学的刺激が皮膚バリア機能に及ぼす影響
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26463225
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Research Institution | Kansai University of Health Sciences |
Principal Investigator |
中納 美智保 関西医療大学, 看護学部, 教授 (10342271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 幸代 関西医療大学, 看護学部, 教授 (10331802)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護技術 / 皮膚バリア機能 / 皮膚洗浄法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究目的は、皮膚洗浄による化学的刺激・機械的刺激による皮膚バリア機能を低下させる要因について明らかにすることである。皮膚トラブルがない23名の女性(年齢26.4±9.7歳)を対象に前腕内側の皮膚温・角層水分量・経表皮水分喪失量(TEWL)・皮膚pHを測定した。皮膚洗浄による化学的刺激として入浴用石鹸(pH9.7)を使用し、機械的刺激として①手による刺激、②綿タオルによる刺激、③ナイロンタオルによる刺激を実施した。さらに日頃のスキンケアについてアンケート調査を実施した。 結果:皮膚洗浄前の前腕内側の皮膚温は31.9±0.9℃、角層水分量は39.7±7.5A.U.、TEWLは9.1±2.6g/(㎡・h)、皮膚pHは5.0±0.9であった。機械的刺激においては、皮膚洗浄前と比較して皮膚温は、3つのすべての機械的刺激において有意に温度の低下を認めた(P<0.05)。TEWLについては、綿タオルによる刺激とナイロンタオルに刺激において有意な上昇があった(P<0.05)。角層水分量については、すべての刺激において有意な増加を認めた(P<0.05)。皮膚pHは、すべての刺激において有意差はなかった。機械的刺激の違いによる影響については、手と綿タオル、手とナイロンタオルによる刺激の比較においては、両方ともTEWLの項目のみ有意差があった(P<0.05)。手とナイロンタオルによる刺激の比較は、すべての項目において有意差がなかった。日頃のスキンケア調査については、52.2%の者が皮膚の乾燥を自覚していたが、入浴後に顔以外のスキンケアを実施している者は34.8%であった。今年度の結果から、皮膚を洗浄することによって一時的に角層水分量は増加するが、機械的刺激の違いによってTEWLが増加の程度が異なり皮膚バリア機能の低下が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力者の確保に時間を要しているが、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、機械的刺激による皮膚バリア機能が低下の時間的経過を検証するとともに、計画通りに研究協力者を拡大して加齢による皮膚生理機能低下が化学的刺激や機械的刺激によって皮膚バリア機能に及ぼす要因について検証をすすめていく。
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Causes of Carryover |
測定機器のメンテナンス費用、場合によっては買い替える可能性があるために次年度使用額が必要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
皮膚測定機器として、インテグラル社のDerma Unit SSC3、Multi Display Devices MDD4を使用している。特にpH測定プローブ(Skin-pH-Meter PH905)、経皮水分蒸散量(TEWL)測定プローブ(Tewameter TM300)のメンテナンス費用(修理費)もしくは買い替える費用を予定しているためである。
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Research Products
(2 results)