2016 Fiscal Year Research-status Report
臨地実習指導者の問題診断克服型教育プログラムの開発
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26463229
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中山 登志子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (60415560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟島 なをみ 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00229098)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 臨地実習指導者 / 問題 / 尺度開発 / 看護継続教育 / キャリア発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨地実習指導者の「問題診断尺度」の開発に向け、質的帰納的分析を反復し、実習指導者が直面する「問題」の全容を解明した。また、解明した「問題」を基盤に質問項目を作成し、尺度の信頼性・妥当性の検証を目的に全国調査を実施した。 1.臨地実習指導者が直面する「問題」の全容解明 臨地実習指導者が直面する「問題」の解明に向け、病院に就業する実習指導者を対象に追加のデータ収集を行った。合計584名の実習指導者の記述をBerelson,B.の方法論を参考にした看護教育学における内容分析を用いて分析した結果、実習指導者が指導上直面する問題を表す35カテゴリが形成された。35カテゴリのうち、最も多くの指導者が直面する問題は、<学生の個別状況に応じた指導難渋>であり、続いて<的確かつ学生が理解し易い助言・説明・発問困難>、<指導の適切性査定不可と効果不顕による適切さへの懐疑>などであった。また、カテゴリ分類への一致率を検討し、35カテゴリが信頼性を確保していることを確認した。 2.臨地実習指導者の「問題診断尺度」の作成と尺度の信頼性・妥当性検証に向けた全国調査 実習指導者が指導上直面する問題を表す35カテゴリに基づき、合計35質問項目を作成し、尺度化した。また、専門家会議とパイロットスタディを通して、尺度の内容的妥当性を検討した。作成した尺度の信頼性・妥当性の検証に向け、全国調査を実施した。このうち、1次調査は、内的整合性と構成概念妥当性を目的とした。全国の病院名簿より無作為に抽出した206施設の看護管理責任者に往復葉書を用いて研究協力を依頼し、承諾の得られた37施設の実習指導者383名に看護管理責任者を通じて質問紙を配付した。その結果、183部の質問紙を回収できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、臨地実習指導者の「問題診断尺度」の作成と、尺度の信頼性・妥当性の検証に向けた全国調査を計画していた。 質的帰納的に解明した実習指導者の問題を表す35カテゴリを基盤に、問題診断尺度を構成する35質問項目を作成し、専門家会議とパイロットスタディを通して尺度の内容的妥当性を検討した。その後、作成した尺度の信頼性・妥当性の検証に向け、1次調査を実施した。1次調査の目標データ数400のうち約半数を収集した。 また、尺度の安定性の検討を目的に2次調査を実施した。再テスト法の実施に向け、2回の調査に協力可能な病院の選定までを実施した。 以上より、尺度の信頼性・妥当性の検証に必要なデータ数の確保に向け、追加の調査は必要であるものの、当初の研究計画に沿っておおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、最終年度であり、第1に「問題診断尺度」の完成を目ざす。尺度の信頼性・妥当性の検証に必要なデータ数400を確保することを目標に、質問紙約250を追加し発送する。収集したデータを統計学的に分析し、尺度の内的整合性および既知グループ技法による尺度の構成概念妥当性を検討する。 また、安定性の検討に必要なデータ数50を確保することを目標に、質問紙約150を発送する。収集したデータを統計学的に分析し、第1回調査と第2回調査の尺度総得点の相関係数を算出する。 完成した尺度を既に開発した看護継続教育支援システムに組み込み、問題診断結果を反映した教育プログラム事例と立案方法の文章化、モデルを図解する。その後、実習指導者を対象とした研修等の企画に関わる教育担当者を対象に、開発した教育プログラムの適切性について聞き取り調査を行う。
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Causes of Carryover |
実習指導者を対象とした過去の調査結果に基づき、看護管理責任者による往復葉書の返送率および実習指導者個々による質問紙返送率を設定し、対象病院の抽出、往復葉書による調査協力依頼、質問紙の発送を行った。しかし、予測したよりも調査協力への承諾率、質問紙回収率が低く、目標数のデータを収集できなかった。これに伴い、不足したデータの入力費用等が次年度使用額として生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
尺度の信頼性・妥当性の検証に必要なデータ数の確保に向け、追加の質問紙調査が必要となる。調査協力依頼に必要な往復葉書、1次調査として約250部の質問紙、2次調査として約150部の質問紙を印刷、送付するための費用として使用する。また、追加の調査により収集したデータの入力費用として使用する。
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