2014 Fiscal Year Research-status Report
新人看護教員の実践的思考と手段の支援に関する研究-教育実践の事例検討を用いて-
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26463238
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
徳本 弘子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00315699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 麻紀子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (10644552)
後藤 桂子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (60524147)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 新人教員 / 教育実践能力 / 臨地実習指導力 / 新人教員の教育能力形成 / リフレクション / 教育実践事例 / 実践的思考 / 状況判断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①新人看護教員(以後新人教員とする)を対象に、新人教員が困難に陥る場面の思考と手段といった教育実践場面の教育実践能力の実態を、事例検討を用いて明らかにし、②新人教員が事例検討を重ねることで教育実践能力がどのように成長するか検証し、教育実践能力形成支援の資料とするものである。ここでの教育実践能力は臨床実習指導力を取り上げ、学生の学習状況と場の状況を把握して、学生の学習に転換する視点と、学生の個別の状況を推測して学習となる手段を選択し、学生の学習を支援し、患者の安全を確保しつつ、学生の実習の安全を確保することとした。平成26年度は、新人教員に困難と感じた場面をプロセスレコードに起こしてもらい、経験教員とともに事例検討を行った。この事例検討において新人教員が無意識にしている判断や思考過程を明らかにした。データは20事例収集できた。事例の形式が整っている15事例を分析対象とした。まず事例から教授に関する視点(教育目標、学習目標、患者特性)学習に関する視点(学生特性、個別計画、学習評価)で分析した。また注目している事実、それをどのように思考しどのような手段をとっているかの一連を分析した。思考については印象「行為への印象、根拠や理由は記述されていない」、推論「理由や根拠を伴って印象や評価を記述してある。学生の考え、学生の行動、発言の意図を推測して記述している」にそって分析した。結果、新人教員の事例から、15事例中12例が学生の言動について教育目標、学習目標との関連が記載されていなかった。また、学習に関する視点では学生の特性のみの記述であった。その場の思考は、ほぼ印象であり、推論の記述は1例のみであった。手段については、確認、指摘、指示の順であった。この結果は新人教員は教育実践を教育の文脈でとらえることができず、学生の指導困難な場面を断片的に捉えていることが読み取れた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は新人看護教員を対象にした事例検討会を行い、新人教員の教育事例20例を収集した。この事例から研究目的①新人教員が困難に陥る場面の思考と手段といった教育実践場面の教育実践能力を抽出し共通性が見出せた。これは平成26年度に予定していた計画通りの内容である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的①の事例検討に参加した新人教員が、継続して事例検討を重ねており、事例検討をすることで教育の視点、教育手段の変化について経年的に教育事例のデータを重ねている。平成27年度は目的②新人教員が事例検討を重ねることで教育実践能力がどのように成長するかについて上記のデータを①のデータ分析方法にそって分析を行う。
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Causes of Carryover |
予算計上していた学会出張費が近県であったため予算計上より少額であった。また、教育業務のため共同研究者が出張できなかったため予算執行できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は海外の学会にエントリー予定であり、海外での発表準備、渡航費、学会参加費について使用予定である。
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Research Products
(6 results)