2014 Fiscal Year Research-status Report
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26463241
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
太田 克矢 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (60295798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 幸江 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (00311902)
那須 裕 長野県看護大学, 看護学部, 名誉教授 (50020839)
松澤 有夏 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (30436894)
牛山 陽介 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (30737698)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護教育学 / 看護学科新入生 / 理科的基礎知識 / 教授方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、「(1)圧力に関する知識の調査とこれの教授方法の開発」ならびに「(2)平成27年度4月実施用アンケート」の検討・作成を実施した。 (1)は、医療現場で使用されるチェスト・ドレーン・バックの管理にも必要な知識として実施した。通常、バックには低圧持続吸引器が接続され、バックの「吸引圧調整ボトル」部分に水を一定の高さまで補足することで、目的の陰圧状態を保つことができる。調査の結果、密封かつ気相だけのボトルの内圧は容易に予想できるものの、チェスト・ドレーン・バックのような半解放系では内圧の変化の予想はかなり難解であることがわかった。そこで、「吸引圧調整ボトル」部分の簡易実験モデルを何種類か開発・検討した。この結果、アスピレーターや負圧計といった理化学機器を除き、医療関係の養成校が所有している類の物品でも、簡単にモデルを作成できることがわかった。なお、これを用いた演示実験だけの解説では、学生の著しい理解の促進は得られなかった。また、物品のうち、負圧計が他の機材と比べて、極端に高価な機材であった。今後、学生が個々に体験しながら学べるように、より低コストのモデルの開発、個々の体験による教授方法の有効性の検討が必要と考えられた。 (2)は、どのような項目が必要なのかを検討し、「食塩をはじめとする基本的な化学式」、「医療系で使用する単位」、「希釈方法」などを含めた。これを用いて平成27年度新入生よりアンケート調査を実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理科的基礎知識のうち、新入生に不足しているいくつかの項目は明らかになったものの、入学時点での調査結果も、項目の優先順位の序列化の決定に重要であるとの結論にいたり、全体的な把握と序列化が進んでいない(採択が決定した時点からでは、平成26年度の入学時点での調査できなかった)。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度新入生より入学者へのアンケート調査を実施予定し、この分析をもとに優先順位の序列化を進める。これらのうちの数項目について、授方法の授業展開を実際に構築する。アルバイトとして募集した学生(なるべくグループダイナミクスも考慮する)に対し、考案した教授方法をもとに、模擬的授業(学生実験形式)を展開し、教授方法の評価を行う。この際に必要であれば、特に女子の理科学習に有効であるとされる「討論、発表、文章・絵画表現等の活動の導入」も展開の内容として導入する。評価は質問紙、授業で配布するワークシートの分析等により行う。計画が順調に進む場合は、2学年以降の学生についても、基礎的知識の調査や、看護の専門教育の受講後に学生が実感する「理科的基礎知識の必要性」などについての意識調査、専門教育受講後の学生への「本研究で開発した教授方法の有効性」なども検討する。また、教授方法の簡便性について、若手の看護系の共同研究者が模擬的授業で実施するなどの方法により検討を加える。さらに平成26年度にコスト面での検討がなされていない場合は、各項目について、手ごろな価格で入手可能な日用品や、簡単な自作品で、教授する為の代用品としての可能性についても検討する。 平成27 年度計画の進行は順調で、その後の展開が進まない場合、本学の他の教員の協力を得て計画案を練り直す。さらに上記と同様に、中・高校の教諭や他の看護系大学の教員の協力を仰ぐ。また、考案した方法を、ビデオや小さなテキストにし、全国の看護系大学に無償で発信するなどをして評価判定が得られるように努める。
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Causes of Carryover |
前年度に優先項目の高い項目の決定にいたらず、研究にやや遅れが生じ、必要な物品の種類・質・量の最終決定に至らなかった為。また、本年度にこの遅れが取り戻せた場合、当初予定の平成27年度分の助成金額がないと研究の遂行が困難になるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
決定した優先項目の高い項目に関する模擬授業などの物品ならびに人件費・謝金に使用する。また、授業の有効性を検討するなど、研究の解析に必要な物品ならびに人件費・謝金に使用する。
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