2015 Fiscal Year Research-status Report
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26463242
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
大津 廣子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 教授 (70269637)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護技術 / 演示 / 指導言語 / 看護教員 / 学内演習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「看護技術の演示時に用いられる指導言語を分析し、看護技術教育における効果的な演示方法について明らかにする」ことが目的である。27年度は、学生を対象に学内演習に対する学生の認識と演示時の教員の指導言語から学生が「印象に残った指導言語や気になったことば」「動作がイメージできることば」などを抽出し、教員の指導言語の意図と学習者の理解の相互関連について検討した。【研究方法】自記式質問紙調査。質問内容は教員の発言で「印象に残ったことばや気になったことば」「理解できないことば」「看護技術の動作がイメージできることば」についての自由記載と、デモンストレーションを用いた学内演習に対する学生の思いや考えに関する質問項目(25項目)について「4.とてもそう思う」~「1.まったくそう思わない」の4件法を用いて調査した。【研究対象】本研究に同意が得られた3看護系大学1年次生260名。【データ収集】調査期間は平成27年11月~12月。3大学それぞれの生活援助技術(寝衣交換、便器の当て方)の学内演習終了後に、録音された教員の演示時の指導言語を再生・聴取したうえで質問紙調査を実施した。【分析方法】自由記述については、テキストマイニングソフトを用いて分析し、25項目の調査については因子分析を行った。【結果】①学生が演示時の教員の指導言語で印象に残ったことばは「ここ」「ポイント」など注意喚起や患者への配慮に関することばであった。②学生が理解できないことばは、「寝衣」「さばく」など日常生活で使用しないことばであった。③学生が動作をイメージできることばは、「クルクル」「スッと」「ふわふわ」などオノマトペ(擬音語、擬態語)を用いた指導言語であった。④学生は、教員による演示は技術習得に有効であり、看護技術を上達したいと考えている。また学内演習という授業形態を通して、協調性や連帯感が深められると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度から27年度の研究では、教員が演示時に用いている指導言語のデータ収集・分析および学生が印象に残った指導言語を抽出した。その結果、看護技術を演示する際の教員の指導言語は、手順に基づいた技術の方法の説明であったものの、その説明にはオノマトペを用いて指導している実態もみられたことが明らかになり、28年度の研究の基礎データを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度は、26年年度、27年度の研究より抽出された指導言語を用いて、「寝衣交換」の技術習得を高める効果的な演示モデルを作成しその有効性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
27年度のデータ収集では、学生を研究補助者として協力を得る予定であったが、データ収集時期の関係で協力を得ることができなかった。また、研究施設への謝金を予定していたが、施設への謝金は不要となったために研究補助への人件費・謝金に未使用が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度は、演示モデルを作成し、その有効性を検証する計画である。そのために28年度の助成金は、研究補助の人件費、研究協力者への謝金、成果発表のための国内旅費、国外旅費として使用する。
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Research Products
(3 results)