2016 Fiscal Year Research-status Report
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26463242
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
大津 廣子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 教授 (70269637)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 看護技術 / 演示 / 指導言語 / 看護教員 / 学内演習 |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度は27年度の研究結果を踏まえ「寝衣交換技術の修得を高めるために、教員の演示時の指導言語にオノマトペを用いた有効性について明らかにする」ことを目的に実施した。 【研究方法】準実験研究。寝衣交換技術の授業を履修していないA看護系大学1年生の中で、研究参加の同意が得られた30名を無作為に実験群15名、対照群15名に分け、事前に両群に有意差がないことを確認し、実験群にはオノマトペ(フンワリと支える、スルリと下げるスーッと通すなど)を用いて説明を行い、対照群にはオノマトペを用いない説明を演示時に行った。その後、週1回一人15分間の技術練習を2回実施した後、事後調査を実施した。データ収集期間は平成28年9月~11月。【分析方法】「臥床患者への寝衣交換技術の修得度(1:まったくできていない~4:できている)を得点化し2群の比較を行った。【倫理的配慮】A大学臨床研究倫理審査委員会の承認(承認番号:252)を受け実施した。利益相反はない。 【結果】分析対象は、実験群15人、対照群12人であった。評価者3人の評価点の一致度は事前調査(ICC:0.85)、事後調査(ICC:08.7)であった。事後調査の総得点は、実験群87.1、対照群76.5で両群の修得度に有意差(P<0.01)がみられた。25項目中「寝衣を無理なく丁寧に脱がす」「新しい寝衣を無理なく丁寧に着せる」など14個項目において有意に実験群の修得度が高かった。 【考察】オノマトペは、感覚的な印象を表し、複雑な内容や微妙なニュアンスも自由に表現でき、動作補助としての機能がある。学生は「手関節を下から支える」という指導言語よりも「手関節を下からフンワリと支える」という指導言語の方が、支え方の動作をやわらかいイメージとして連想し、手関節をつかまない丁寧な動作になったと考えられる。オノマトペを用いた指導言語の教示は有効であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
28年度の研究において、教員が実施する寝衣交換技術の演示時にオノマトペを用いた指導言語の有効性について明らかにすることができ、本研究の最終目標である「看護技術教育における効果的な指導方法について検討する」ためのデータを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、平成26年度から平成28年度の研究結果をまとめ、「看護教員の看護技術演示力と指導言語の連関」に関する論文を作成する。
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Causes of Carryover |
28年度は、学生を対象として準実験研究によるデータ収集を夏季休暇中に実施する予定であったが、研究補助者として学生の協力が得られなかった。また、研究施設への謝金を予定していたが施設への謝金は不要となったために、人件費、謝金に未使用が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度の助成金は、研究成果発表のための国内旅費、国外旅費などに使用する。
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Research Products
(4 results)