2017 Fiscal Year Research-status Report
適切な看護介入のための看護アセスメント能力強化プログラムの策定と評価
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26463243
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
曽田 陽子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (80405224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 万喜子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (50170163)
佐藤 美紀 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (10315913)
大島 弓子 豊橋創造大学, 保健医療学部, 教授 (50289758)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護アセスメント / 看護診断 / 継続教育 / クリティカルシンキング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、平成23~25年に科研助成を受けて行った「看護アセスメント能力の向上をめざす育成プログラムの構築とその評価」において課題となった「論理的思考」を強化するプログラムを策定すること、つまり看護アセスメントから看護診断を的確に判断し介入する過程を、クリティカルシンキングを活用して適切に進める能力を身につけることができるトレーニングプログラムを策定し、それを評価することである。 平成29年度は、プログラムの実施に向けてさらなる検討を行った。プログラムにおいて重要となる研修会は、研究対象者の負担に配慮し2時間程度とした。また、研修中のクリティカルシンキングを緊張感で妨げることがないよう、ゲーム性を取り入れるなどの工夫を行った。さらに、事前ニーズ調査の内容を検討し、研修内容が研究対象者のニーズに合わせられるようにした。プログラムで使用する事例は、それに取り組む研究対象者の専門性が多岐にわたることを考慮して、看護基礎教育で経験することが比較的多い看護問題をもった患者とした。さらに、事例はプログラムの評価にもかかわる重要なアイテムであるため、事例の人物像の一貫性や、生理的反応に矛盾はないか、描写の曖昧さがないか等について、事例作成の経験豊富な研究者間で討議を重ねて完成させた。また、アセスメントの思考過程を導く鍵となるアセスメント用紙の検討も行った。これらの検討を行った後に、研究倫理審査を受審して承認を得た。その後に、複数施設に研究協力依頼を開始し、1施設から承認を得ることができた。しかしながら、施設側から、プログラムは平成30年度の研修計画に組み込んで実施したいとの要望があり、助成期間の延長を申請するに至った。 現在、プログラムの第一段階である事前調査を開始し、研修会の実施と評価に進む段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前回の科研費で実施した研究「看護アセスメント能力の向上をめざす育成プログラムの構築とその評価」において課題となった論理的思考やクリティカルシンキングの強化、およびプログラムに使用する事例やアセスメント用紙の検討を多角的な見地から行った。また、研修会が円滑で対象者に馴染みやすいものになるよう検討を重ねた。当初の予定では、本プログラムは平成29年度内に実施、評価する予定であった。しかし、研究対象者の所属する施設の年間教育スケジュールの都合から、次年度での実施希望があったこと、そのニーズに対応して平成30年度に実施することが望ましいと判断したため、研究実施期間を1年延長し平成30年度までとした。延長したことを踏まえると「遅れている」であるが、平成30年度初頭から本プログラムの実施を既に開始しており、6月末の研修会実施とその評価に向けて計画的に進行しているため「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年5月に、プログラム実施施設の研究対象者に対して質問紙による事前ニーズ調査を行う。さらに、その調査に基づいて研修内容の洗練化に向けた検討を重ね、6月に研修会を実施する。研修会終了後、研修終了時に提出されたシートの個別評価を行う。そして、研修成果の肯定的フィードバックを研究対象者に対して個別に行う。さらに、研修前後の事例アセスメントの変化を点数化したものや、研修に参加した研究対象者の声から、プログラム全体の評価とまとめを行い、研究成果の公表のための準備を行う。これらを、研究者間で定期的に検討会を開催して、計画的に進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究対象者の施設の年間教育スケジュールとの関係から、プログラムを平成30年度に行う希望が出された。対象者のニーズに対応することが適切であると判断し、プログラムは平成30年度に実施することとした。そのため、経費を次年度に持ち越した。 この経費は、プログラム実施のための旅費、物品等の経費、プログラム評価やその成果の公表、本研究に関連する最新の動向を知るための学会参加費等に使用する予定である。
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