2014 Fiscal Year Research-status Report
国際保健分野における多職種連携をふまえた学生教育支援と国際協力モデルの開発
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26463268
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Research Institution | Sonoda Women's University |
Principal Investigator |
杉野 美礼 園田学園女子大学, 健康科学部, 講師 (10434961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 毅 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60164109)
田代 麻里江 梅花女子大学, 看護学部, 准教授 (80336619)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際保健教育 / ネパール / 多国籍 / 多職種 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.カトマンズ市内の視覚障害のある生徒対象のダンス療法による生徒・教員の健康と運動の認識についての研究調査:平成26年4月~6月、昨年度のネパール村落部学校保健実施メンバーにより、カトマンズ市内学校生徒を対象に、ダンス療法を実施した。実施前後に参加者に個人面接を行い、健康と運動についての認識の変化を調査した。運動をしていないことは不健康である、という認識が学校生徒にあり、ダンス療法により運動ができることの自信が芽生え、継続的に行う意欲が高まったことが明らかとなった。 2.2014年度夏期ネパール学校保健プログラム:日本より、薬学、法学、看護学分野より計3名、ネパールから、看護学、医学、公衆衛生学分野計7名の学生が参加した。韓国から文化人類学分野の学生1名が参加し、6分野の職種、3か国の国籍からな計11名の多職種、多国籍の学生チームを編成した。7月上旬より学生間でSKYPEによりプログラムの打ち合わせを始めた。平成26年8月13-21日の期間に村落部の学校2校において、手洗い、栄養、生殖の3つのテーマに分けて、健康教育を実施した。実施前に学生間の相互理解を深めるため、合宿をして文化交流を行った。事前に学校及び村落を訪問し、村落の生活状況を調査し学校教員とプログラム内容について協議した後、学校教員、現地NGOの協力を得て、クラス毎にプログラムを実施した。結果として、学生間の交流は深まったが役割分担の明確化、共通言語として常に英語で話す必要性が挙げられた。活動期間最終日は、現地協力機関を招待してプログラム実施報告会を行った。実施内容報告:平成26年11月に国際保健医療学会において、活動内容をポスター発表した。 3.夏期プログラム事後調査:ネパール参加学生により、プログラム実施学校の事後調査を行い、手洗い活動が積極的に行われていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ネパール参加学生の意欲が高く、研究調査に積極的に関わった。またネパール協力機関の学校、NGO、村落委員会から協力を得ることができ、学校での活動、調査の調整、実施補助をしていただくことができた。 1.視覚障害生徒へのダンス療法:ネパールでは視覚障害生徒は一般の学校に入学することが多く、安全な施設や特別な運動プログラムがない。今回参加した生徒も普段十分に運動する機会がなく自分の健康状態に不安をもっている生徒が多かった。しかしながらダンス療法により自分の運動能力を自覚し、障害があっても身体は健康であることに自信をもつことができた。今回実施したプログラムは特別な設備が必要なく、自分の体を動かしてできることであったので、学校教員から、続けて実施をする生徒が多く、生徒が積極的に動くようになったと報告があった。 2.ネパール学校保健プログラム:対象となった学校では健康教育プログラムが積極的に実施されていなかった。学生の訪問とプログラムの実施により、学校生徒の健康教育への関心が高まり、教員やNGOスタッフが中心となってプログラムの継続を行っていた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度のプログラム実施校に加え、別の地域の学校から参加要請があり、4校でのプログラムを夏期に実施する予定としていた。しかしながら平成27年4月下旬の地震により村落部の災害があり、予定学校村落の被災があったため、今年プログラムを現地の状況を見ながら調整し、被災後の支援活動を中心に展開する予定である。 1.被災状況調査:平成27年5月4-9日、プログラム実施地域を中心に情報収集を行い、今後の活動内容について現地機関と協議を行った。今年度の詳細は被災状況が落ち着くであろう6月以降に調整をし、夏期のプログラムの実施を目指すこととなった。 2.被災地支援活動:現在ネパール学生による被災地支援活動を行っている。 2.現地プログラム予定:8月中旬実施予定 3.ネパール学生招聘11月、学会発表:ネパール学生被災地支援活動、夏期プログラム活動報告を国際保健医療学会にて発表する。
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Causes of Carryover |
27年度プログラム実施のための事前調査、夏期プログラム、学会発表などを予定している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年8月中旬:多国籍学生による学校保健プログラム、平成27年11月:国際保健医療学会での発表にネパール学生招聘
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Research Products
(1 results)