2015 Fiscal Year Research-status Report
東日本大震災時の知的障害者避難行動分析に基づく災害時コミュニティ支援モデルの開発
Project/Area Number |
26463279
|
Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
佐々木 久美子 宮城大学, 看護学部, 教授 (80310150)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 道子 四国大学, 看護学部, 教授 (40552097)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 災害 / 避難行動 / 障害児・者 / 避難支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
・本研究では、被災自治体在住の知的障害者(障害者手帳所有者)を持つ家族を対象に、①震災時の避難行動、②避難時に受けた支援内容、③宮城県沖地震を想定して準備していたこと等について検証し、今後の大規模地震に想定し、自助・互助・共助・公助に分類し、コミュニティ防災システムを開発することを目的としている。 ・平成26年度は先行研究から災害時要援護者の「避難行動」「避難時に受けた支援」「災害が起きた時のために準備していたこと」等について、災害の種類別、障害別に分けて抽出した。しかし、これらに関する文献が少なく、また、知的障害者についてはもっと少なく、要因を抽出するのに困難をきたし施設の職員に聞き取りを行うに至らなかった。 ・平成27年度は、文献数が少ないながらも平成26年度に文献から明らかにした避難時の行動要因を基に、家族や支援者に対する半構成的面接による調査を行うことを計画していた。しかし、知的障害者の特性等を考慮した内容なのか疑問に思い、再度文献検索を行った。また、知的障害者が生活している自治体の類型化を図るため、ホームページの情報以外の情報収集については、一部の自治体のみ入手するにとどまった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
・数少ない文献をもとに倫理委員会資料の作成を試みたが、知的障害者とその家族の震災時の避難行動等に関する先行研究の内容は、震災当初支援活動を行っていた時に関係者から聞いていたこととずれていたため、再度先行研究の検索を行い、分析した。しかし、文献数は一昨年よりは増えているものの、必要とする「知的障害者」についての「避難行動」に関する文献に変わりがなかった。 ・平成26年度に文献検索をした結果をもとに調査を行うことも可能であったが、現状にそぐわないことを調査しても対象者に負担をかけるだけであり、少しでも調査内容が次の災害時に活かせるものにしたいと考え再度文献検索を行った。 ・自治体の類型化については、自治体から入手したい情報を入手するには自治体職員の手を煩わせることになるため、時期を見計らっていたため遅れてしまったが、これについては研究をまとめるまでに入手することで対応可能である。
|
Strategy for Future Research Activity |
・研究テーマについては先行研究が少なく、調査内容の妥当性について検討が十分できない。そこで、所属する大学の倫理委員会の承認を得たうえで、知的障害者施設およびそこに通所している家族会代表から東日本大震災時の状況について事前調査を行い、そのうえで本調査の内容を検討し、年内に調査を実施する。 ・調査対象地の類型化するための資料は、夏季休暇の時間を使い情報収集し分析する。また、調査対象となる知的障害者は、学校(施設含む)に「通学(通所)している」「通学(通所)していない」に分類し検討する。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては次の点があげられる。①知的障害者施設およびそこに通所している家族を対象とした調査ができなかったこと、②岩手県、福島県の自治体等に出向き情報を得る計画であったが、双方の予定が合わなく実施できなかった、③学会発表で使用する旅費が地元開催であった。以上のことから研究依頼やデータ収集、学会発表の旅費の支出が予定より少なかった。また、データ収集・データ整理の作業に伴う謝金の支出が少なくなっている。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
・調査内容をより現実的な内容にするため以下の2段階に分けて調査を実施する。第1段階では先行研究から導き出した調査内容を基に事前調査を実施、分析する。(調査のため旅費、データの整理のための報償費)第2段階では事前調査をもとに作成した調査票により調査を実施する。(調査のため旅費、データの整理のための謝金、データ保存用の保存箱、USBメモリー等の消耗品費) ・調査対象地の類型化するための資料は、夏季休暇の時間を使い情報収集し分析する。(情報収集のための旅費、資料購入のための消耗品費、資料整理等の謝金)
|
Research Products
(1 results)