2016 Fiscal Year Research-status Report
リフレクションを活用したクリティカルケア看護実践力サポートプログラムの開発
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26463324
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
福田 美和子 東邦大学, 看護学部, 准教授 (80318873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 多美枝 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (40352348)
明神 哲也 東京医科大学, 医学部, 副看護部長 (00521428)
和田 美也子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (30381677)
岡部 春香 東海大学, 健康科学部, 講師 (30438858)
坂本 なほ子 東邦大学, 看護学部, 准教授 (20398671)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リフレクション / シミュレーション / 看護実践力 / 教育プログラム開発 / クリティカルケア看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画にそって、設定した『実践力サポートプログラム』をクリティカルケア領域に新人として配属され2年目になる看護師に対し、実施した。 プログラム参加による影響について分析した結果、悩みは一緒という気づきから、仕事学びへのモチベーションが向上した。また、日々の実践を見つめ直す機会となり、自身が大切にしたいことを再考する機会にもなっていた。また何となく流れで行っていた日々の実践を省みて、見逃していた観察もできるようになり、それまで身につけてきたパターン認識の組み換えが起こり、よりよい実践を目指そうとする発展的な見方につながっていた。 また本研究で設定した実践力をサポートする要素として、以下3点が挙げられた。すなわち①異なる環境で実践している人の考えから、自分が身につけてきたことを問い直したこと、②普段通りのやり方を実施し、身につけたやり方の意味を熟考したこと、③普段の自分を知らない人から受ける他者評価により実践を客観視したこと、であった。 本結果から、協力者が1か月間隔で研修現場にきて、普段の日々の臨床現場に戻るという、リフレクションとシミュレーションの繰り返しは、臨床現場での実践を見つめ直し疑問や気づきをより広げ、メタ認知能力を高めることを助けると考えられた。また、普段の状況を知らないもの同士でグループを形成しリフレクションとシミュレーションを行うことは、協力者にとって、日々のケアの何が本質的なのか問う機会にもなっていた。今回設定した『看護実践力サポートプログラム』の中でも①日々実践している環境とは異なる場での他者評価から自己評価する仕組み、②異なる部署の同学年同士で形成されたグループセッション、の2点が、2年目看護師特有の、「これでよいのか」という戸惑いを解決したいニーズと合致したと考える。これをプログラム評価につなげていくことが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づき、実践力サポートプログラムが実際の対象に実施できている。プログラム実施に伴い、プログラム評価に向けたデータ収集も実施できている。平成29年度もプログラムを実施することが確定しており対象者のリクルートに入っている。本年度もデータ収集を行うことによって、平成27年度からの3ヵ年分にわたって収集したデータを元に、分析を進めることで、プログラム評価を行うことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
一昨年度より実施しているプログラムを継続して実施する。そのための研究協力者への謝礼品の購入やプログラム参加に伴う研究協力者への交通費、インタビューにおける音声をデータ化するためのテープ起こし等に使用する。 また学会などでプログラムを公表するため、学会参加のための旅費に使用する。 広く研究成果を公表する上では、研究発表以外に、プログラムの実施要領や運営のコツなどリーフレット等にすることも予定している。そのため、その印刷代に使用する予定である。
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Causes of Carryover |
実施中の『看護実践力サポートプログラム』を最終年度も行うことで、計3回の実施によるプログラム評価ができ、研究成果の質がより高まると考え、プログラム実施に必要な経費を最終年度に使えるよう、経費削減しながら、今年度研究費を使用した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
継続して『看護実践力サポートプログラム』を実施し、研究成果を公表する。公表は誌上だけでなく、リーフレットなどを作成し、プログラムを広めるための手段を講じる予定である。
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Research Products
(3 results)