2015 Fiscal Year Research-status Report
臓器移植看護における看護師の倫理的実践の変化-アクションリサーチを用いて-
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26463329
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
林 優子 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (50284120)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アクションリサーチ / 臓器移植看護 / 倫理的実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、臓器移植医療における日常の看護場面で生じる倫理的問題に対して、看護師の倫理的実践がどのような過程を経て変化していくのかを、アクションリサーチを用いて明らかにすることである。 本年度は、アクションリサーチの対象者をある一定の病棟看護師に限定するのではなく、臓器移植医療に携わっている看護師あるいは移植コーディネーターを対象に、いくつかの施設でアクションリサーチの研究グループメンバーを募集した。9名の看護職が集まり、研究代表者及び研究分担者ら計14名でアクションリサーチを開始した。まず、研究グループメンバーと研究者の立ち位置が同等の立場であることを共通認識した上で、参加者にアクションリサーチについて説明し、研究参加の同意を得た。次に、参加者に研究参加の動機や本研究に求める願いなどについてグループインタビュー形式で情報を提供しあい、アクションリサーチの重要課題である「願いの明確化」を行った。その結果、「臓器移植医療の現場の中で、潜在している倫理的問題に気づく力(倫理的感受性)、その問題に反応する力を向上させ、看護師の倫理的実践力を高めたい。」というグループでの願いが明確化された。各自の願いはそれぞれがノートに記述するようにした。アクションリサーチでは「実践を語る会」と「学習会」を織り交ぜて、毎月1回実施した。実践を語る会では、看護師が臨床の場で悩んだり、ジレンマを感じたりした場面を事例として取り上げ、事例提供者のナラティブを通して看護場面の倫理的問題を見出すように進めていった。そして、実践を語る会や学習会を通して、アクションリサーチ参加者の個々の思いや、疑問、考えをノートに記述するようにした。また、研究者はアクションリサーチでどのような働きかけをしたのかを記述するようにした。個人ノートと実践を語る会での発言をデータとして保存している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究フィールドを特定して参加者を集めるのが困難であったため、研究開始が出遅れた。対象者選定を数箇所の施設の看護師や移植コーディネーターに拡大して募集する方法に変更したことで参加者が集まり、研究をスタートさせることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究グループメンバーによるアクションリサーチの研究計画(計画・実践・評価・リフレクション・計画修正)を継続する。10月までアクションリサーチを実施し、10月以降はアクション終了後のデータ収集及びアクションリサーチの全プロセスの記述の分析を実施する。
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Causes of Carryover |
学会発表参加のための旅費を予算化していたが、アクションリサーチの経過が長く研究発表に至らなかったため、学会発表のための旅費を使用しなかった。また、学習会の講師は研究分担者が実施したため謝金を必要としなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アクションリサーチの分析・まとめのための人件費、学会発表や学会参加の旅費等の使用を予定している。
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