2016 Fiscal Year Research-status Report
がん医療におけるコミュニケーション教育プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
26463357
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
金子 眞理子 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (50318151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 朝生 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 分野長 (10466196)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | サイコオンコロジー / がん医療 / コミュニケーション / 教育プログラム / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.目的: 本研究の目的は、がん患者の精神・心理面のアセスメントと対応に関する看護師向けの教育プログラムを開発し、知識と対応への有効性を検討することである。 2.方法: データ収集期間は2016年10月~2017年1月であった。対象はがん看護経験がありインターネットから本プログラムに応募し同意が得られた看護師20名であった。教育プログラムの内容はがん患者の精神状態と心理面に関するアセスメントと対応、コミュニケーション、意思決定支援および認知療法をとりいれた看護師自身のストレスマネジメントに関する10時間の内容であった。 評価方法は受講前、直後、3か月後に知識、アセスメントと対応について自記式アンケートを実施した。質問項目は心理面について10項目、精神状態に関して9項目を設定した。意思決定支援、コミュニケーション、看護師自身のストレスマネジメントについては各2項目を設定した。倫理的配慮は東京女子医科大学倫理委員会の承認を受け行った。分析は、実施前と実施直後、実施直後と実施3か月後における知識と対処についてウィルスコクソンの順位付き符号検定を行った。 3.結果: 有効回答は14名(70%)であった。経験年数の内訳は5年未満が42.1%、10年以上が36.8%であった。心理面に関する10項目中、9項目は、介入前と3か月後で有意差が認められた。がん患者の不安についての多職種連携については自己効力感が低い結果となった。精神面のアセスメントと対応についてはすべての項目でプログラムの有効性が示された。意思決定支援の知識、ストレスマネジメントについては、介入前と3か月後で有意差が見られ、プログラムの有効性が示された。 4.考察:本プログラムの有効性が示唆された。がん患者の不安についての多職種連携については、教育プログラムのみではなく個々のリソースの活用やシステムについても検討していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度に行った教育プログラムを評価し、修正したものを27年度に実施した。現在分析中であるため、今年度は公表を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度、28年度に教育プログラムの実施と評価を行った。 今年度はデータを分析し、専門雑誌への公表を予定している。
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Causes of Carryover |
前年度のデータをもとに、教育プログラムの修正を行ったため、データ収集期間が2016年11月から2017年1月となり、成果の公表が年度内に終了しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ収集は終了し、現在データ解析中である。年度内に論文をまとめ、成果の公表を行う予定である。
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