2015 Fiscal Year Research-status Report
思春期を対象とした子宮頸がん予防のためのアサーション教育プログラムの開発
Project/Area Number |
26463401
|
Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
奥村 ゆかり 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (30403299)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 聡美 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (10614513)
木村 佳代子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助手 (30635371) [Withdrawn]
鈴木 美恵子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (40269452) [Withdrawn]
中村 敦子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助教 (40614516) [Withdrawn]
勝田 真由美 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (70514909) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 性教育 / 生命教育 / 思春期 / アサーション / 子宮頸がん予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、思春期を対象とした子宮頸がん予防を目指した教育プログラムの開発を目的としている。一つ目の計画は、思春期の対象の子宮頸がん予防のためのワクチン接種およびがん検診に関する現状と課題を明らかにすることである。二つ目の計画は、子宮頸がん予防のための保健行動を自らとるアサーションの視点を取り入れた教育プログラムの開発である。三つ目の計画は、その教育プログラムの効果を検証することである。 平成27年度は、教育プログラム開発の一環として、高校生および大学生への研究者らの実施する性教育の効果を検証した。性教育の目的は、対象が健やかに生活を過ごすために、性に関して、生物学的側面および人間学的側面から学ぶことで、必要な知識や社会的なルールを理解すると同時に、性に対する個人の自覚を深め、自己の生き方の選択と性的意思決定を適切に行うための力を育むことである。心身の機能の発達に関する理解や性感染症の予防の知識などの科学的知識を理解することだけでなく、理性により行動を制御する力を養うこと、自分や他者の価値を尊重し相手を思いやる心を醸成することを目指している。性教育の内容は、月経時のセルフケア、性感染症予防、望まない妊娠、男女間のコミュニケーションである。性教育は演示とクイズにより実施し、教育効果の測定は、自尊感情尺度、青年期アサーション尺度、教育内容の理解度のアンケートを実施した。 性教育によって対象の自尊感情とアサーションの得点は有意に上昇していた。また、教育内容の理解度は、月経、望まない妊娠、男女間のコミュニケーションが男子より女子の方が有意に高かった。以上から、研究者らが行った性教育は、対象の自尊感情およびアサーションを上昇させ、教育目標はおおむね達成されていた。今後の課題として、教育効果や理解度に男女差が生じないような内容や方法について検討していく必要があることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一つ目の計画である思春期の対象の子宮頸がん予防のためのワクチン接種およびがん検診に関する現状と課題を明らかにするための調査については、H県内の全中学生および高校生を対象として行う予定であるが、現在、調査用紙作成中であり、思春期という未成年に対する調査における倫理的手続きを慎重に準備している。 二つ目の計画である子宮頸がん予防のための保健行動を自らとることができるアサーションの視点を取り入れた教育プログラムの開発については、生命教育および性教育の二つを柱としてプログラムを作成し、それらの具体的な方法を検討した。さらに、思春期を対象にして生命教育および性教育を実施し、目的に沿った教育効果が得られたかという検証を行った。プログラムの内容を評価するための介入の効果を検証したのでおおむね順調に進んでいる。 三つ目のプログラムの効果の検証に関しては、生命教育および性教育の介入の効果を検証したがプログラムの評価を行った上で教育ツールの開発を行い、その効果の検証およびプログラムの最終評価を実施する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
一つ目の計画である思春期の対象の子宮頸がん予防のためのワクチン接種およびがん検診に関する現状と課題を明らかにするための調査については、今後、調査用紙を作成後、調査手順を整え、研究者の所属大学の倫理審査に申請する予定である。倫理審査に承認が得られた後、H県内の思春期の対象に一斉に調査を行い、分析を行う予定である。 二つ目の計画である子宮頸がん予防のための保健行動を自らとることができるアサーションの視点を取り入れた教育プログラムの開発については、思春期を対象にして生命教育および性教育を実施し、目的に沿った教育効果が得られたため、今後は教育プログラムの内容を評価し、教育内容と方法についての精錬を行う。 三つ目のプログラムの効果の検証に関しては、生命教育および性教育の介入効果を行った結果からプログラムを評価し、教育ツールの開発としてDVDやリーフレットなどの教育のための教材を開発し、H県内の思春期の対象への配布を行い、教育ツールを用いた効果をみて、教育プログラムの最終評価を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
思春期対象の子宮頸がん予防のためのワクチン接種およびがん検診に関する現状を明らかにするための調査をまだ実施できていないため、通信費および謝金の費用を使用していない。また、データ収集および分析に使用するノートパソコンを購入していないためである。また、教育ツール開発のためのDVDおよびリーフレット作成の費用を使用していないためである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度中に、思春期対象の子宮頸がん予防のためのワクチン接種およびがん検診に関する現状を明らかにするための調査をまだ実施できていないため、通信費および謝金を用いて調査を行う。また、データ収集および分析に使用するノートパソコンを購入する。 さらに、教育ツール開発のためのDVDおよびリーフレット作成を行い、教育ツールを使用した効果を検証するために費用を使用していく予定である。
|